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日刊ゲンダイ|TPP公約反故 農業団体の激怒で始まる「石破幹事長降ろし」

 自民党は昨年の衆院選の選挙公約に「聖域なき関税撤廃を前提にする限りTPP交渉参加に反対する」と明記。夏の参院選でもコメや麦など重要5項目について「聖域を確保する」と掲げた。ところが、今月7日になって西川公也・党TPP対策委員長が突然、「(関税撤廃を)検討させてもらう」と言い出した。5項目を死守すると、米オバマ政権が求める関税自由化率95%に届かない。それで、聖域を捨て去ったわけだが、公約違反は明らかだ。


 これは安倍政権にとって致命傷となるのではないか。中でもヤバいのは石破幹事長だ。石破は2日に、農業団体や消費者団体の大規模集会で、「重要5品目の関税は必ず守る」と約束したばかり。しかし、西川発言が飛び出すと、「(5項目の)細目の中で(撤廃を)検討するのは公約違反ではない」と居直った。

 石破の舌先三寸、二枚舌に大規模集会の参加団体はカンカンで、JA全農の幹部は「舌の根も乾かぬうちに」と怒りをあらわにした。


「農業団体幹部の怒りを買ったことで、石破氏の党内の立場は危うくなるでしょう。カネ、ポストの世話をせず、人望がない彼が40人もの支持グループを率いていられるのは、弁が立ち、地方人気が高いからです。地方票の多くを占める農業団体を敵に回し、支持基盤を失えば、あっという間にグループは瓦解する。“石破降ろし”が始まる可能性があります」(政治評論家・伊藤達美氏)


 例えば、石破支持グループの中核を担う衆院山本有二財務委員長は、06年の自民党総裁選では安倍を支持。論功行賞で金融担当相のポストを射止めたが、昨年の総裁選では勢いのあった石破支持に回った。石破派の周囲には勝ち馬に乗ろうとするだけの連中が多い。


「長期政権を狙う安倍首相にとって、総裁選の地方票ではトップだった石破氏は目障りな存在でしかない。“公約違反”の声が高まれば、何らかの理由をつけて責任をなすりつけようとするかもしれません」(伊藤達美氏)