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【世界史の遺風(98)】ジェーン・オースティン 婚活問題解決のヒント 東大名誉教授 本村凌二 - MSN産経ニュース

イギリスの紙幣は表面にはどれにもエリザベス女王の肖像が描かれている。裏面には歴史上の偉人が記されているが、2017年から、十ポンド紙幣には現在のチャールズ・ダーウィンに代わって、19世紀初頭の作家、ジェーン・オースティンが印刷されるという。彼女の代表作に『高慢と偏見『エマ』などがある。


 ところで、わが国では、晩年の夏目漱石が「則天去私(そくてんきょし)」を唱えていたことは名高い。自然に逆らわず私心をすてるというほどの意。漱石はその事例としてオースティンの作品をあげている。それはどういうことなのだろうか。

 20歳をこえたころから、小説の執筆に本気でとりくむようになった。類いまれなほど恵まれた環境に育ったオースティンだが、現実を直視する観察眼はひと際すぐれていた。


 世界があり、国家があり、社会があり、集落があり、家族がある。そのようななかにあって、彼女はある書簡のなかで「田園の数軒の家族こそが小説のかけがえのない材料なのだ」と語っている。