世界最大の政府系ファンド、新興市場投資にブレーキ踏む - Bloomberg
世界最大の政府系ファンド(SWF)であるノルウェーの政府年金基金グローバル(運用資産8800億ドル=約91兆3000億円)は新興市場投資の拡大ペースを落としている。高成長市場への運用先分散という2年越しの戦略をやや後退させる。
基金を管理する中銀投資運用部門(NBIM)のイングべ・スリングスタッド最高経営責任者(CEO)は20日、「徐々に新しい市場へと進出していくが、年初よりは緩やかなペースにしている」と語った。オスロでの記者会見後にインタビューに応じた。
同基金は2012年に投資先拡大の承認を得て以来、新興市場投資を増やしてきた。政府はポートフォリオ内の欧州資産の割合を41%とそれまでの54%から減らすことを認めた。
スリングスタッドCEOによれば、基金はここ8カ月、ロシア資産の売買はしていない。経済制裁の行方を見守っているという。ノルウェーは欧州連合(EU)加盟国ではないが、米国とEUの対ロシア制裁への支援を決めている。
現在のロシアのように「波乱や地政学的リスクといったものに直面している国に対する当基金の投資戦略は、買いも売りもしないことだ。ボラティリティのあるところに投資するというわれわれの戦略にふさわしい状況ではない」と同CEOは述べた。
同基金は、1998年に株式投資に進出するなど、ここ10年以上にわたり一貫してリスク資産を増やしてきた。今年6月末時点で保有株式の9.9%、債券の13.4%が新興市場資産だった。
World’s Biggest Wealth Fund Slows Emerging Market Investment - Bloomberg