ロシア危機がPIMCO直撃-通貨急落でオプションは価値失う - Bloomberg
米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO )は保有するロシア債で評価損が増大。米国で登録されたルーブルに強気なオプションはほぼ全て価値がなくなった。ニューヨークとロンドンの外国為替ブローカーは16日に顧客に対し、ルーブル取引を今後受け付けないと通知。
ロシア中央銀行のシュベツォフ第1副総裁は同日にモスクワで開かれた会合で、相場急落の広がりに驚きを隠さなかった。
ロシア中銀で金融市場を監督するシュベツォフ第1副総裁は「1年前でさえ、最悪の悪夢の状況を想像できなかった」と発言。6.5ポイントの緊急利上げを真夜中に発表してもルーブル安に歯止めがかからなかったことについては、「極めて悪い」「極めて、極めて悪い」という2つの選択肢の中間の選択だったと述べた。
ルーブルは一時1ドル=80ルーブル台まで下落し、過去最安値を付けた。その後、ウリュカエフ経済発展相が通貨統制を検討していないと表明したことから持ち直し、5.4%安の67.9ルーブルとなった。債券・株式相場も急落し、株価指標のRTSは2008年以来最大の下げを記録した。
急ピッチなルーブル安は当局が事態を制御できなくなっていることの表れだ。ウクライナ紛争に絡む国際的な制裁でロシア経済が失速する中、半年で48%もの大幅な原油安が経済下支えに必要な外貨をプーチン大統領から奪っている。ロシアの金融危機と原油急落が世界的な景気減速につながるとの懸念から投資家は他の新興国からも資金を引き揚げており、影響は世界中に広がっている。
ブルームバーグが追跡する主要新興国通貨の指標は03年以来の安値に低下。ドバイやサウジアラビアの株価指数はそれぞれ7%を超える下げを記録し、インドネシア当局は16年ぶりの安値を付けたルピアの下支えに動いた。イングランド銀行(英中銀)のカーニー総裁は、新興国市場から先進国市場に悪影響が波及し、金融の安定や成長に「多少影響する」可能性があるとの認識を示した。
PIMCOの新興市場債券ファンド (運用資産33億ドル=約3850億円)は最も深刻な打撃を受けたファンドの1つで、9月末時点でロシアの社債・国債を8億300万ドル相当保有。これらが総資産に占める割合は21%と、ベンチマークの組み入れ比率の2倍強だった。同ファンドは過去1カ月のリターンがマイナス7.9%と、同種のファンドの95%に後れを取った。
同社の新興市場責任者、マイケル・ゴメス氏は「PIMCOのポートフォリオの投資テーマは長期的な見方に基づいている」と述べ、新興市場は不安定な状況となっているが、この分野は長期的な投資家に魅力あるリスク・リターンの機会を提供しているとの見解を示した。
Russia Crisis Hits Pimco Fund, Wipes Out Options - Bloomberg
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20141213#1418466925
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20141205#1417775863