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福島第一原発 海水注入巡り指揮混乱 NHKニュース

政府は11日、福島第一原発事故の原因などを検証するため、政府の事故調査・検証委員会が聴き取りを行った772人の関係者のうち、吉田元所長や菅元総理大臣、海江田元経済産業大臣などの政治家を含む、合わせて19人分の証言の記録を公開しました。
政府の事故調査・検証委員会によりますと、福島第一原発では事故発生の翌日の3月12日の午後7時すぎに、1号機の原子炉を冷却するため海水の注入に踏み切りました。
ところが、東京電力から官邸に派遣されていた当時の武黒一郎フェローは、吉田元所長に直接電話し、官邸ではまだ海水注入は了解していないとして中断するよう指示し、吉田元所長は、原子炉の状況を考えて、みずからの判断で注入を継続し、本店には中断したと事実と異なる報告をしています。
この指示について、吉田元所長は証言の中で、「四の五の言わずに止めろと、そのときの電話だけは、いまだに覚えていますけれども、それでやっていられないなと、私からするとそうなったわけです」と憤りをあらわにしています。
これに対し当時、官邸にいた細野元総理大臣補佐官は「実は止めたんじゃないかとか、情報が官邸に入っていたのではないかということに関しては、これは断言できます。みんな海水は入っていないと思っていました」と話し、海水の注入が始まっていたことは東京電力から知らされていなかったと証言しています。
また、海水注入を巡る判断にあたり、菅氏が、核燃料が再び連続して核分裂する再臨界が起きることを懸念したと指摘されていることについて、菅氏は、再臨界の可能性を尋ねたことは認めたうえで、「海水の話とは関係ありません」「武黒さんというのはプロだと聞いていますから、なぜ海水注入のことと再臨界のことをごっちゃにしたのかということはよく分からないんです」と証言し、注入中断の指示は東京電力の誤解だったと主張しています。
こうした経緯に対して、政府の事故調査・検証委員会は最終報告の中で、政府の顔色をうかがった東京電力の姿勢に問題があったとしたうえで、海水注入については電力会社が判断すべきものだとして、政府の介入も戒めていて、公開された証言からは事故対応の指揮を巡る混乱した状況をうかがわせています。