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アスベスト健康被害 最高裁が国の責任認める NHKニュース

かつて大阪南部の泉南地域にあったアスベストを扱う工場で働いていた人たちは、肺がんなどになったのは国の規制が遅れたためだと主張して、1陣と2陣の2つの裁判を起こし国に賠償を求めていました。
裁判では国が段階的に行った規制について、その時期が適切だったかが争われましたが、1陣と2陣で2審の判断が分かれたため最高裁判所が審理にあたっていました。
9日の判決で、最高裁判所第1小法廷の白木勇裁判長は、国が排気装置の設置を義務づけた昭和46年の規制について「行政指導で設置を促していた昭和33年には義務づけるべきだった」と判断し、国の規制が遅れたと認定しました。
そのうえで2陣訴訟の原告のうち54人について、およそ3億3千万円の賠償を国に命じました。
また1陣訴訟の原告のうち28人について、2審の敗訴を取り消し、賠償額を算定するよう2審に命じました。
深刻な健康被害が広がったアスベストの問題で、最高裁が規制権限を適切に行使しなかった国の責任を認めたのは初めてです。
判決について、原告の1人で5年前、64歳だった夫を肺がんで亡くした佐藤美代子さん(69)は「みんなが判決を勝ち取ったことはうれしく思います。私自身の訴えは認められませんでしたが、一生懸命やってきたので悔しいけど悔いはありません」と話していました。
塩崎厚生労働大臣は記者団に対し、「判決が国の責任を認めたことを重く受け止めており、原告には誠に申し訳なく思う。判決に従って対応したい。今後、アスベスト健康被害を防止するための対策を徹底していく」と述べました。

最高裁 健康被害の広がり厳しく指摘 NHKニュース