バフェット氏のポートフォリオ、IBM株など下落で含み損50億ドル | Reuters
ただ、世界で3番目に裕福なバフェット氏にとって、数十億の含み損はさほど嘆くようなことではないかもしれない。
バフェット氏はこれまで、短期的な市場変動に動揺せず、静観して切り抜けることで長期投資家として成功を収めてきた。投資信託のファンドマネジャーのように、ファンドの償還により保有株売却を迫られることもない。
バークシャーは6月末時点でコカ・コーラ株を4億株保有し、筆頭株主だった。四半期業績の減益を受けてコカ・コーラ株は21日、6%下落。6月末からは4.1%下げており、バークシャーの含み損は6億9600万ドルに達した可能性がある。
バークシャーが約7000万株保有するIBMの株価も6月末から約11%下落。それにより約13億ドルの含み損が発生した可能性がある。
それ以外の保有株式で下げが目立っているのは、ウェルズ・ファーゴ 、アメリカン・エクスプレス 、エクソン・モービル 、サンコー・エナジー 、ゼネラル・モーターズ(GM) 。
エクソンの株価は、原油価格に左右されることが多々ある。原油価格は年初から18%ほど下げており、バークシャー保有の4100万のエクソン株の価値は、6月末から3億1100万ドル下がった可能性がある。
今月に入り、バークシャーは英小売テスコ 株の保有比率を5月時点の約3.96%から3%以下に減らしたことを明らかにした。
業績悪化や不正会計疑惑から、テスコの株価は今年45%下落しており、バフェット氏は、この投資は「大きな間違い」だったと認めている。
多数保有する銘柄の中で値上がりしているものもある。ウォルマート・ストアーズ の株価は6月末から1.3%上昇。プロクター・アンド・ギャンブル(P&G) も、6月末から10月22日までの間に7.2%上昇している。
一方、このところの株価下落でも、投資家のバークシャーに対する信頼は保たれているようだ。同社のAクラス株価は、年初から16%、第2・四半期からは8.75%上昇している。