ECBバランスシートは2012年水準に拡大へ、ドラギ総裁が再表明 | Reuters
ECBはバランスシートをユーロ圏債務危機が深刻化していた「2012年初頭の水準に向けて」拡大することを目指していると述べた。
これは現在の水準を1兆ユーロ程度上回る水準に相当する。
ドラギ総裁をめぐっては、ECB内で総裁の金融政策の運営スタイルをめぐり批判が高まっており、とりわけ具体的な数字には触れないことで合意していたにもかかわらず、ドラギ総裁がバランスシートの規模に言及した点に関し、事実上目標を設定したとして不満が募っていたとされる。
必要な場合に講じる追加策の準備をスタッフに指示=ECB総裁 | Reuters
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は6日、デフレリスクを回避するため、必要に応じて非伝統的措置を講じる用意があると表明するとともに、必要な場合に講じる追加策を準備するようスタッフに指示したと明らかにした。
「理事会は、必要に応じて実施する追加措置を適切なタイミングで準備するよう、ECBスタッフとユーロシステムの担当委員会に指示した」と述べた。
ECB総裁「声明には全員が合意」、対立先鋭化との見方否定 | Reuters
ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は6日、理事会では全会一致の合意を得ており、ECB内で北部・南部の対立は存在しないとして、ECB内で亀裂が深まっているとの見方を否定した。理事会後の会見で述べた。
バランスシート規模やデフレ回避に向けた追加措置の可能性を含め、理事会後に公表する声明は全員の合意を得ていると強調。
その上で「北部と南部といった線引きや派閥は存在しない」と述べた。
<理事会メンバーが持つ政策懸念>
私が知る限り、懸念が表明されることはなかった。(昨日の理事会)夕食会は、(ECB議事録に関する)この議論が話題となり、このため夕食会は成功したと考えている。非常に有意義で興味深く、非常に率直な意見交換を行った。ただ(指摘される)こうした懸念は、私の知る限り示されなかった。
私はどこにでもいると言うわけでない。他のメンバーの意見は知らないが、何も起きなかった。
<域内中銀のABS買い入れ>
ご存知の通り、買い入れを外部のアセットマネジャーに委託して始める。しかし、域内の中銀がこのプログラムに参加する可能性を排除していないのは確かだ。
意欲があり準備が整っている可能性のある中銀を含めるため、どの中銀が、どの程度の期間内に、外部のマネジャーだけを考慮し準備してきた枠組みに対応できるか見極めようとしているところだ。
<諸外国の中銀からの教訓>
(他の中銀について考える際は)初期条件が著しく多様であることを踏まえる必要がある。他の中銀の経験やバランスシートの規模についてはきょう、かなり広範にわたって議論した。初期条件次第でQE(量的緩和)の影響が異なることをわれわれは認識する必要がある。
米国や英国を例にとれば、多くの違いがあることが分かる。1つ目は規模の違い。米英はバランスシートを3倍あるいは4倍にしてきた。2つ目は資本市場の構造。3つ目は、忘れがちであるが、米、英、日本は欧州の数倍の財政赤字を抱えていたということだ。4つ目はQEの構成が異なっており、特に米英に関しては、実施の時期が異なるし、スプレッドや金利は今と比べてかなり高水準にあった。
それ故、担当委員会とECBスタッフはこれらすべてを考慮する必要があり、必要な場合に講じる追加措置が効果を表す条件や波及経路について検討する必要がある。諸外国からの教訓は、必要な場合に講じる措置について、どのように効果を最大化するかの検討を促す点で非常に重要だ。
<理事会内対立の報道>
これら報道についてまず言いたいのは、意見が食い違うのはまったく自然なことで、どこでもあることだ。米利上げ時期に関する、連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーらの最近の声明を読むとよい。英国でも日本でも起こることで、正常な多様性を示す一側面だ。
ただ、この質問への最善の回答は、冒頭に読み上げた声明は、過去に関する重要なニュースを一部含むが、全会一致で承認、支持されたという事実が存在することだ。
<全員一致>
この(声明文)は理事会全員の承認を得ている。
<必要なら一段の非標準的措置に全会一致でコミット>
ECBの緩和的な金融政策スタンスは、2%弱のインフレ率目標に沿って、中長期のインフレ期待をしっかり安定させる一助となる見通しだ。
われわれの金融政策措置はまた、経済への波及に伴い、インフレ率が目標に近い水準に戻ることに寄与するだろう。だが先を見通しつつ新たな情報や分析を考慮する中、理事会は金融政策スタンスが適切かどうか注意深く監視し継続的に見直す。
低インフレが過度に長期間続くリスクに一段と対応する必要が明らかになれば、理事会は責務の範囲内において、さらに非標準的な措置を講じることに全会一致でコミットしている。
<物価リスクを注視>
理事会は中期的な価格動向の見通しに対するリスクを引き続き注視する。
その意味で、経済成長を取り巻く環境の悪化、地政学的動向、為替レート、エネルギー価格の動向や我々の金融政策の波及効果が与え得る影響に特に注目する。
<必要なら追加措置の用意>
理事会は、必要な場合に講じる追加策を適時準備するよう、ECBスタッフやユーロシステムの関係各委員会に指示した。
<バランスシート、2012年初めの水準に戻る見込み>
新しいプログラムの下でカバードボンドの購入を先月始めた。間もなく、資産担保証券(ABS)の買い入れも始める。プログラムは少なくとも2年間続く。2016年6月まで行う予定の、一連の「的を絞った長期資金供給オペ(TLTRO)」と合わせて、これらの資産買い入れは、ECBのバランスシートに大きな影響をもたらす。バランスシートは、2012年初頭の水準に向かう見込みだ。
ヨーロッパ中央銀行は6日、単一通貨ユーロの金融政策を決める理事会を、ドイツのフランクフルトの本部で開きました。
その結果、主要な政策金利を、過去最低の水準となっている今の年0.05%のまま据え置くことを決めました。
ヨーロッパ中央銀行は、ユーロ圏がデフレに陥るのを防ぐため、ことし6月以降、2度にわたって政策金利を引き下げたほか、金融機関から資金を預かる際の金利をマイナスにする異例の政策や、金融資産を買い取る政策など、新たな金融緩和策を相次いで打ち出しました。
ただ、ユーロ圏では、10月の消費者物価指数が0.4%の上昇と低迷が続いていて、ヨーロッパ中央銀行としては、金融緩和策の効果をなお見極める必要があるとして政策金利の維持を決めました。
ヨーロッパ中央銀行のドラギ総裁は、理事会のあとの記者会見で、「景気の見通しは下向きに修正される可能性がある」としたうえで、「必要があれば、追加の金融緩和を行うことで一致している」と述べ、今後、国債など幅広い資産を買い取る量的緩和など一段の金融緩和に踏み切る可能性があるという考えを示しました。