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縮刷版 カント事典

縮刷版 カント事典

縮刷版 カント事典 | 弘文堂

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永遠平和のために - Wikipedia

本書はフランスとプロイセンバーゼルの和約を締結した1795年にケーニヒスベルクで出版された。バーゼルの和約は将来の戦争を防止することではなく、戦争の戦果を調整する一時的な講和条約に過ぎなかった。このような条約では永遠平和の樹立には不完全であると考えた場合、カントには永遠平和の実現可能性を示す具体的な計画を示すことが求められる。本書はこのような平和の問題が論考されている。

最後の文末は、「たとえ無限に先に進んでいく接近の中のみであるとしても、公法の状態を実現することが義務であり、同時にその根拠である希望が現存するならが、従来呼ばれていた平和締結(これは厳密には休戦の意味)の後に来る永遠平和は、空虚な理念ではなく、漸進的に解決されて目標に絶えず接近していく課題である。」と締めくくっている。

カント『永遠平和のために』を解読する | Philosophy Guides

カントは本書の議論を『実践理性批判』で示した道徳の概念に基づいて行っている。国家にも人間と同じく、利害を求める傾向性と、自らに道徳法則を課す「理性」(『実践理性批判』で論じられている意味での理性)があると考え、それに基づき政治構想を行おうとしている。

実践理性批判』でカントは、人格は道徳法則を目がける主体であり目的それ自体なので、手段として用いられてはいけない、としていた。カントによれば、この規定は国家に対しても当てはまる。国家もまた道徳法則をめがける主体なのだ、と。

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