ことしのノーベル物理学賞は、青い光を放つＬＥＤ＝発光ダイオードの開発に成功し、あらゆる色の光を作ることを可能にしたとして、名城大学教授の赤崎勇さんと、名古屋大学大学院教授の天野浩さん、カリフォルニア大学教授の中村修二さんに贈られました。
授賞式は日本時間１１日午前０時半からスウェーデンのストックホルム中心部のコンサートホールで行われ、えんび服に身を包んだ３人は各賞の受賞者の中で最初に入場しました。
式では物理学賞の選考委員が「非常に粘り強く、多少の幸運も伴って、窒化ガリウムのきれいな結晶を作り出すことに成功した。今ではＬＥＤが街や家庭など至る所で利用され、地球上の暗闇に明かりをともした。節電や環境の改善にもつながっている」と述べて、その功績をたたえました。
このあとファンファーレが鳴り響くなか、赤崎さん、天野さん、中村さんの順に舞台の中央に進み、スウェーデンのグスタフ国王から記念のメダルと賞状を受け取りました。
３人は、緊張した面持ちを崩さずに舞台上の参列者や会場の出席者に一礼し、式典を見守っていたそれぞれの家族は笑顔で拍手を送っていました。
日本時間１１日午前３時からは、スウェーデンの王族も出席する晩さん会が開かれ、３人は、家族とともに出席することにしています。
ストックホルムの中心部にある市庁舎では、日本時間の１１日午前３時から晩さん会が始まり、スウェーデンのグスタフ国王に続いて受賞者が次々と階段を下りて会場に集まりました。
このうち、中村さんと天野さんはそれぞれ相手をエスコートしながら緊張した面持ちでおよそ１３００人が待つ会場に現れ、ファンファーレの音色と拍手で迎えられていました。
晩さん会では中村さんが１人を挟んでグスタフ国王の左側に座ったほか、天野さんはシルビア王妃の右隣りに座り、乾杯のあと早速身ぶり手ぶりを交えながら笑顔でシルビア王妃と話をしていました。
また赤サキさんも周りの出席者との会話を楽しんでいましたが、体調を考慮して途中で切り上げ、滞在先のホテルに戻りました。
日本時間の午前６時すぎに、３人を代表して中村さんがスピーチを行い、ほかの２人の受賞者や同僚の研究者らに感謝の意を述べたうえで、「アルフレッド・ノーベルは人類の利益に貢献した物理学の発明や発見に賞を与えるべきだとしたが、ＬＥＤ技術の夢が実現し、今人類の利益に大きく貢献していることをわれわれは誇りに思う。ＬＥＤは電力消費を劇的に減らすことができ、地球温暖化の防止にも貢献していると信じている」と述べました。
