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焦点:ソニー復活にハッカー攻撃の霹靂、平井社長の求心力に痛手も | Reuters

標的となった映画子会社は、グループ復活の柱の1つにしたいエンターテインメント部門の中核。

「それって冗談でしょ」。ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)のエイミー・パスカル共同会長は、今年6月、同社が公開発表した映画をめぐって北朝鮮が戦争を示唆しているとのBBCニュースの報道にあきれ、こんなひとことをメールで返信した。


しかし、それは冗談どころか、同社を標的にしたハッカー攻撃につながる予兆だった。先月24日、米ロサンゼルスに拠点を置く同社のコンピュータ画面に、赤い骸骨とともに、「Hack By GOP(GOPによるハッカー攻撃)」のメッセージが流れ、システムがダウン。大量の社内情報が盗まれた。


「平和の守護神」を名乗るGOPによる攻撃は、SPEが今月25日に予定している北朝鮮金正恩第1書記の暗殺を描いたコメディー映画「ザ・インタビュー」が背景にある。北朝鮮はこれに反発。GOPは「戦争の引き金となるテロリズム映画の公開を即刻中止せよ」とのメッセージをネットに投稿した。


ハッカー集団は同社から大量の社内データを盗み出して、インターネット上に次々と公開。未公開映画だけでなく、パスカル共同代表のメール、マイケル・リントン会長兼最高経営責任者(CEO)ら同社幹部の報酬額や社員の給与明細まで外部に明らかにされた。


騒ぎに輪をかけたのは、パスカル共同会長のメールの中身だ。オバマ米大統領との朝食会を前に「大統領には(奴隷の復讐を描いた映画)『ジャンゴ』はお好きかと聞いた方がいいかしら」などアフリカ系米国人の差別と読める「冗談」を身内の映画プロデューサーに送っていたことがわかった。流出したメールの中には、映画プロデューサーによるハリウッド女優の悪口も見つかった。


巧妙な手口で企業のシステムに侵入するハッカー集団を刺激しないためにも、企業の対応は「ノーコメント」が定石。SPEもそのスタンスを貫いてきたが、人種問題に敏感な米国世論を背景に、パスカル氏は盗まれたメールの存在を認めざるを得なくなり「無神経かつ不適切だった」との謝罪声明の発表に追い込まれた。米国内でさらに批判を呼ぶ可能性がある。