ロシアの通貨ルーブルは、原油価格の値下がりによって産油国ロシアの経済に悪影響が出るとの見方から売られ、下落に歯止めがかからない状況が続いていることから、ロシア中央銀行は16日、政策金利を10.5%から17%へ大幅に引き上げました。
しかし、ルーブルはその後も売られ、一時1ドル=74ルーブル台となり、ことし初めに比べて50%以上安くなっています。
またロシアの主要な株価指数、RTSは16日、一時14%余り値下がりしました。
さらに、債券市場でもロシアの国債が売られていて、償還までの期間が10年の国債の利回りは15%を超え、およそ5年8か月ぶりの高い水準となるなど、ロシアでは通貨、株、国債が同時に売り込まれる、いわゆるトリプル安となっています。
ロシアは1998年にも原油価格の低迷で通貨ルーブルの下落が止まらず、国の債務が返済できない国家破綻の状況に陥っていますが、経済専門家は「現在は、当時と違って十分な外貨準備があり、金融危機を招く事態には陥らない」としています。
しかしロシア中央銀行は、原油価格が来年も1バレル=60ドルの安値圏で推移すると、経済成長率はマイナス4.5%から4.7%になるとの見通しを示しています。
ロシアで通貨ルーブルの下落に歯止めがかからないなか、極東のウラジオストクでは、一部の銀行でドルやユーロが不足し、ルーブルから両替ができない事態となっています。
ロシアのメディアによりますと、ロシアでは、手持ちの資金を下落が続くルーブルからドルやユーロなどの外貨に交換しようとする人があとを絶たず、ウラジオストクでは16日、5つの銀行でドルやユーロが不足し、両替を停止したということです。
銀行の担当者はNHKの取材に対して、「ドルやユーロの調達に努めているが、あすの営業時間の開始に間に合うかどうか分からない」と話していました。
また、サハリンの中心都市ユジノサハリンスクにある大手銀行でも、ロシア経済の先行きを不安視して、ルーブル立ての預金をドルやユーロ立てに切り替える客が急増しているということで、影響はロシア全体に広がっています。
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