このうち、アメリカのニューヨークでは、10日、公園に大勢の市民が集まり、犠牲者を追悼するとともに、銃撃された新聞社「シャルリ・エブド」への連帯を示すプラカードなどを掲げてテロに抗議しました。
地元の女性は「フランスだけの問題とは思えません。言論の自由を支持するために参加しました」と話していました。
一方、ドイツ東部のドレスデンでは、3万人以上が集会に参加しました。
ドイツは、フランスと同じようにイスラム教徒の移民が多く暮らしていて、イスラム過激派組織が関わったとみられるフランスでの事件を受けて、移民社会への反発や偏見が広がるのではないかと懸念されています。
参加者たちは、表現の自由を支持しながらも、テロ事件を理由に移民を排除することがないよう訴えていました。
このほか、10日は、中東のレバノンや南アフリカなどでもテロに抗議するデモが行われました。
パリでは日本時間の11日夜遅くから大規模なデモ行進が行われ、40か国以上の首脳らも参加することになっています。
デモは11日午後(日本時間11日午後11時すぎ)から、襲撃されたパリの新聞社の本社に近い共和国広場で始まりました。
デモには、犠牲者の家族や襲撃を受けた新聞社の社員をはじめ、さまざまな政党や人種、宗教の人々が参加し、3キロの道のりを歩きました。
また、フランスのオランド大統領と共に40を超える国や機関の首脳らも参加し、ドイツのメルケル首相やイギリスのキャメロン首相のほか、イスラム諸国からヨルダンのアブドラ国王も参加しました。
また、ふだんは対立するイスラエルのネタニヤフ首相とパレスチナ暫定自治政府のアッバス議長の姿も見られました。
現場付近の広場や道路は大勢の人々で埋め尽くされて一時、身動きがとれないほどの状態となりましたが、参加した人々は、襲撃された新聞社への連帯を示す「私はシャルリ」と書かれたプラカードを掲げたり、フランス国歌を大きな声で合唱しながら歩きました。
フランス内務省によりますと、参加者は最大で160万人に上るとみられ、フランスのメディアは「第2次大戦でナチスドイツからパリが解放されたとき以来の歴史的なデモだ」などと伝えています。
フランス国内では南部のマルセイユや中部リヨンなどでも同様のデモが行われ、パリを含めた参加者は370万人を超えるとみられています。
フランスでは依然としてテロの脅威は去っていないとして、最高レベルの警戒態勢をしいていますが、デモでは5000人を超える警察官や兵士などを動員して警備に当たった結果、大きな混乱はありませんでした。
フランスのオランド大統領は、デモに先立って、大統領府で、各国から集まった首脳らを前に「パリは今日、世界の首都だ。国全体が立ち上がることになる」と語りかけました。
ドイツのメルケル首相は11日、記者団のインタビューに応じ、「自由、平等、博愛のために力を尽くす人が大勢いることが分かる。歴史的にさまざまな経緯はあったドイツとフランスが友好関係を保ち、この困難なときにフランスの人たちを励ますことができるのをドイツ政府として誇りに思う」と述べました。
イギリスのキャメロン首相はデモ行進のあと、ツイッターに自身の動画を投稿し、「非常に感動的な経験だった。大勢の人々が集まって、犠牲者との連帯を示そうと、『私はシャルリ』や『私はユダヤ人』などのことばを掲げていたことを忘れることはないだろう」と述べました。
そのうえで、「イギリスでも狂信的なイスラム過激派の脅威と向き合わなければならず、若者を過激な思想に走らせる動きと戦っていかなければならない」として、テロ対策に取り組む決意を表明しました。
イタリアのレンツィ首相は「ヨーロッパはテロの脅威に必ず打ち勝つというメッセージを発するためにわれわれはここに集まった」と述べ、テロに屈しない姿勢を強調しました。
イスラム教徒が多数を占めるトルコのダウトオール首相は、デモに参加したあとの記者会見で、「経済危機のあと過激な傾向が勢いづき、大きな脅威となっている」と指摘しました。
そのうえで、ヨーロッパでイスラム教徒や移民を排斥しようとする動きが出ていることに懸念を示し、「宗教や文化の異なる人々が共存し、誰も排除されない環境が守られるべきだ」と述べました。
フランスのパリで大規模なデモ行進が行われたのに合わせて、11日、世界各地で市民による行進が行われ、追悼の輪が広がっています。
このうち、ベルギーの首都ブリュッセルでは、街の中心部に2万人を超える市民が集まり、デモ行進を行いました。
参加者は、襲撃された新聞社への連帯を示す「私はシャルリ」と書かれた紙を持ったり、市民の団結を呼びかける横断幕を掲げたりしながら街を練り歩きました。
また、南米アルゼンチンの首都ブエノスアイレスでもおよそ1000人が集まりフランスの国旗を振ったり、表現の自由を象徴するペンを空に掲げたりしながら街を行進しました。
デモ行進に参加した女性は「民主主義社会では、報道する自由はどんなことがあっても守られるべきです。フランスでテロ事件が起きた事はとても悲しく思う」と話していました。
11日は、このほかにも、イギリスのロンドン、スペインのマドリード、ロシアのモスクワなどでも集会が行われ、テロ事件の犠牲者を追悼しました。
Map shows route #JeSuisCharlie unity march will follow when it begins shortly http://bbc.in/1IdeOk3
Chanting & applause in Paris as huge crowds begin unity march against terror attacks http://bbc.in/1y6XOax
The "March of Unity" begins in Paris - led by world leaders and victims' families. Watch LIVE: http://bbc.in/1DxNLQD
なんというか、文明の差だね、こういうの。