このうち、新聞社を襲撃したとされる容疑者のクワシ兄弟2人のうち弟のシェリフ・クワシ容疑者は、過激なイスラム教徒の若者らで作る組織に所属し、2005年にはシリアを経由してイラクに渡ろうと旅立つ直前に当局に拘束されました。
さらに、ロイター通信は中東イエメンの当局者の話として、兄弟2人が4年前の2011年にイエメンに渡り、現地でアルカイダ系のイスラム過激派組織「アラビア半島のアルカイダ」と接触して、銃の撃ち方などの訓練を受けていたと伝えています。
一方、地元メディアによりますと、パリ東部の食料品店で人質を取って立てこもったクーリバリ容疑者は、シェリフ容疑者と刑務所で知り合い、2人は共に、ヨーロッパで若者に対しイスラム過激派組織への勧誘を行ってきた男の影響を受けて、過激な思想に染まっていったということです。
クーリバリ容疑者は、1995年にパリで起きた地下鉄の連続爆破テロ事件で有罪判決を受けた男を脱獄させようとして逮捕されるなど、過去にたびたび治安当局の取り調べを受けていました。
こうしたことから、フランスのAFP通信は、人々の関心は凄惨(せいさん)なテロ事件を防げなかった治安上の課題に移りつつあると指摘しています。