韓国の刑法にある、かんつう罪は、６２年前に制定され、配偶者以外の異性と性的な関係を持った場合、２年以下の懲役を科すとし、その相手も同じ処罰を受けると定めています。
このかんつう罪について、韓国の憲法裁判所は２６日、憲法違反とする判決を出し、この罪を廃止しました。
判決の中で９人の裁判官のうち７人が憲法違反の判断を示し、その理由について、「かんつう罪は憲法上保障される性的自己決定権と私生活の秘密と自由を制限する」などとしています。
憲法裁判所は、これまでに４回にわたって憲法に違反しないという判断を示してきましたが、今回の決定を受け、前回の判決が出された２００８年以降に起訴されたり、刑が確定したりした人は公訴の取り消しや再審の申し立てができ、韓国メディアによりますと、その対象は５０００人余りに上るということです。
かんつう罪を巡っては伝統的な価値観を重視するうえで必要だとする意見もあり、長年議論となっていて、今回の判決について韓国のメディアは結婚や家族に対する社会の認識の変化が反映されたものだとする見方を伝えています。
