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同性どうしの結婚が認められていないことが憲法に違反するかどうかが争われた裁判で、2審の大阪高等裁判所は「性的指向による不合理な差別だ」として、1審とは逆に「憲法に違反する」という判断を示しました。全国で起こされている同様の裁判で、2審の判決は5件目で、いずれも「憲法違反」という判断になりました。

京都府香川県などに住む3組の同性カップルの6人は、同性どうしの結婚を認めていない民法や戸籍法の規定は憲法に違反すると主張して、国に賠償を求める訴えを起こし、国は「同性どうしの結婚は憲法で想定されていない」と争いました。

1審の大阪地方裁判所は2022年、同様の裁判の1審で唯一、「合憲」とする判断を示して訴えを退けたため、原告側が控訴しました。

25日の2審の判決で大阪高等裁判所の本多久美子裁判長は「婚姻は人生における幸福追求のための重要な選択肢で、同性カップルがこれを享受できないのは、人格的利益を著しく損なう」と指摘しました。

その上で、同性どうしの結婚を認めていない民法などの規定について「婚姻制度の利用の可否を、性的指向によって不合理に差別するものだ」として、法の下の平等を定めた憲法14条1項と、婚姻に関して個人の尊厳と両性の本質的平等を定めた憲法24条2項に違反すると判断しました。

さらに判決では「同性カップルについてのみ婚姻と別の制度を設けることは新たな差別を生み出すおそれがあり、不合理な差別を根本的に解消できない」などと言及し、国に対応を促しました。

一方、国に賠償を求める訴えについては最高裁判所の統一判断が出ていないことなどを理由に退けました。

全国5か所で6件起こされている同様の裁判で、2審の判決は5件目で、いずれも「憲法違反」という判断になりました。
原告「ほっとした」「気持ちがすっきりした」

判決のあと、原告と弁護団が裁判所の前で「唯一の合憲判決くつがえる」などと書かれた紙を掲げると、集まった支援者から「おめでとう」という声とともに拍手が送られました。

京都市に住む原告の坂田麻智さんは「違憲判決が出てほっとしています。判決の中で『同性カップルについてのみ今の婚姻制度とは別の制度を設けることは、新たな差別を生み出す』と明確に言っていただき、私たちが訴えていたことを理解してもらえてよかったです」と話していました。

香川県に住む原告の川田有希さんは「きのうは緊張して寝つけませんでした。ようやく違憲判決が出たので感慨深く思っています」と話していました。

また、判決のあと、原告の同性カップル弁護団とともに会見を開きました。

この中で、京都市に住む原告の坂田テレサさんは「きょうの判決は一つ一つ丁寧にクリアなことばで大阪地裁の判決は間違っていたと指摘する内容で、とても気持ちがすっきりしました。子どもを育てる環境は男女のカップルに限らないと言ってくれたので、いろいろな家族の形があることを理解してくれたのだと思います。原告だけではなく、みんなの声が届いたと感じました」と笑顔で話していました。

香川県に住む原告の田中昭全さんは「ようやくここまでたどり着けたという達成感を感じられた、大きな判決だと思っています。高等裁判所すべてで違憲判決ということなので、あとは立法が動くだけだと思っています」と話していました。

弁護団の三輪晃義弁護士は「唯一合憲とした大阪地裁の判断をどうにかしたいという思いで、3年間頑張ってきました。すべての高等裁判所違憲と判断した法律がそのままにされている状態になっていて、国には一刻も早く立法に向けた議論を始めていただきたいです」と述べました。

判決の中で「同性カップルについてのみ婚姻と別の制度を設けることは新たな差別を生み出す」などと言及したことについて、三輪弁護士は「別の制度をつくればいいということを明確に否定していて、一歩踏み込んだ大きな判断だと思います」と話していました。

法務省「国の主張受け入れられず」

判決について法務省は「婚姻に関する民法などの規定は憲法に反するものとは考えておらず、国の主張が受け入れられなかったものと受け止めています。そのうえで、現段階では確定前の判決であり、最高裁判所も含めほかの裁判所で訴訟が継続していることから、その判断も注視してまいります」とコメントしています。

同性婚訴訟 全国では

戸籍上の同性のカップルに結婚が認められないのは憲法に違反するとして国に賠償を求める集団訴訟は、札幌、東京、福岡、名古屋、大阪の全国5か所で6件、起こされています。

1審では判決が出そろい、「憲法違反」が2件、「違憲状態」が3件、「合憲」が1件と判断が分かれました。

2審は今回が5件目で、これですべての高等裁判所が「憲法違反」と判断しました。賠償を認める判決はこれまでありません。

残る6件目は、東京高裁で審理が続いています。

専門家「司法判断の流れ決める判決」

25日の判決について、家族法が専門で早稲田大学の棚村政行名誉教授は「1審の大阪地裁は各地の1審判決の中で唯一『合憲』と判断したが、それを取り消すもので、同性婚をめぐる司法判断の流れを決める判決となった」と評価しました。

そのうえで「5つの高裁が連続で『憲法違反』という判決を出したのは非常に画期的だ。これを最高裁が重く受け止め、司法としての統一的な判断を早い段階で出す可能性もある」という見方を示しました。

また、判決の中で、同性カップルを対象にした別の制度を設けることは「新たな差別を生み出す」などと言及したことについて、棚村名誉教授は「代替的な手段でごまかせば差別が繰り返されると国会に対してくぎを刺す司法のメッセージだ。違憲判決は、原告が苦しい状況にあり、人権侵害が放置されていると裁判所が危機感を示したもので、国会は直ちに法制化に向けた議論を始めることが求められる」と指摘しました。


#アウトドア#交通(250325)

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