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アングル:米FRB、資産運用会社の流動性懸念 解約殺到が焦点 | Reuters

市場が動揺してミューチュアルファンドなどに解約申し込みが殺到した場合、業界は持ちこたえられないのではないか──。米連邦準備理事会(FRB)幹部らはこうした懸念を募らせ、約10年ぶりの利上げに際して市場を動揺させることがないよう、市場との対話に腐心している。


米国の資産運用業界はブームに沸いている。FRBにとって最大の心配事は、裏付け資産が不十分でパニック時の解約殺到に応じられないファンドが出てくるのではないか、という点で、表立ってこうした懸念を口に出す場面も増えている。流動性の欠如は急激な価格変動を招き、投資家と経済全体を危険にさらすだろう。

FRBにとって悪夢のシナリオは市場を驚かせ、投資家を流動性リスクにさらし、金利の急騰を招くことだ。


フィッシャーFRB副議長は先月の講演で、「一部のオープンエンド型ミューチュアルファンドは毎日資金を引き出せる特権を提供する一方で、売却と決済により長い時間を要する資産に投資している」と指摘した。


タルーロFRB理事とアトランタ地区連銀のロックハート総裁もここ数カ月、流動性をめぐり同様の警告を発している。


資産運用会社は自らの安全性を主張する。しかしFRB幹部らは、この業界への資金流入の大きさと集中度合いに着目する。一例が2002年に登場した債券の上場投資信託ETF)で、グリニッチ・アソシエーツによると13年には2460億ドル規模に達した。


ニューヨーク連銀のダドリー総裁は今週、金融危機の記憶が薄れるにつれ、投資家の間で流動性の高い資産を保有する傾向が低下したと警告。「金融環境が大きく引き締まった場合」、FRBは利上げを遅らせたり、ペースを落とす可能性があると述べた。


もっともダドリー総裁は、「いつ金利正常化が起こるにせよ、それがだれかを大きく驚かせることになれば、それこそ驚愕する」と述べ、FRBとして利上げについて可能な限り明確に説明していく方針を示した。

ドイツ銀行は4月のノートで、「FRBの政策変更その他のショックに反応し、流動性の高い市場が瞬く間に流動性を失いかねない」と分析。そうなれば、バーナンキFRB前議長が2013年に早期のQE縮小を示唆して市場を混乱に陥れた「テーパータントラム」の再来になりかねない、と警鐘を鳴らした。