国防総省は21日、沖縄県の嘉手納基地に配備されているアメリカ海軍の最新鋭のP8哨戒機が南シナ海で偵察活動を行う映像を公開しました。
映像は、各国が領有権を争う南沙(スプラトリー)諸島で、中国が浅瀬を埋め立てた人工島に滑走路を建設しているとみられる様子を映しています。
その中には、哨戒機が中国海軍から無線で警告を受けたやり取りを記録した書類もあり、中国側が「われわれの軍事区域に接近している。速やかに退去しなさい」と警告し、アメリカ側が「われわれは公海の上空で、国際法に基づいて活動している」と応酬したことが示されています。
国務省のラッセル国務次官補は21日、記者会見で、「南シナ海での偵察活動は、通常の任務だ。すべての国が航行の自由を確保する権利を持っており、アメリカ軍の任務を止めることはできない」と述べました。
さらに、国防総省のウォレン報道部長も21日、記者団に対し、人工島から12海里、およそ22キロ以内の中国が領海と主張する地域に、軍の航空機や艦船を派遣する可能性について、「それは次の段階だろう。ただ、いつ実施するかなどは、何も決まっていない」と述べて可能性を排除しない姿勢を示すなど、アメリカには中国をけん制するねらいがあるものとみられます。