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空き家対策 特別措置法 きょう全面施行 NHKニュース

空き家は、地方の人口減少や建物の老朽化などさまざまな問題を背景に、おととし10月の時点で全国でおよそ820万戸に増え、防災面や防犯面、それに景観などへの悪影響が問題になっています。
全面施行された空き家対策の特別措置法には、市町村が固定資産税の情報を利用して、空き家の所有者を迅速に把握できるようにすることや、所有者が分からない場合でも、問題が生じるおそれがある空き家に立ち入り、危険性などを調査できることが盛り込まれています。
特に老朽化が進み倒壊などのおそれがある空き家を、市町村が「特定空き家」と判断し、所有者に撤去や修繕の勧告や命令ができるうえ、命令に従わない場合や所有者が不明の場合には、強制的に撤去できるようになります。
一方、各市町村が特定空き家の判断を行うためには一定の基準が必要になることから、国土交通省は26日、市町村に向けた国の指針を公表することにしています。それによりますと、特定空き家と見なす基準として、建物が傾いていたり、屋根や外壁が落ちたりするおそれがあることや、ごみの放置によって衛生上、有害となるおそれがあることが挙げられています。また、多数の窓ガラスが割れたままになっている場合や、庭の木の枝が道路にはみ出し歩行者の通行を妨げている場合なども判断の対象となるとしています。
こうしたケースについて国土交通省は、地域や住民などに対する影響や危険性を考慮したうえで、勧告や命令などを行うべきだとしています。

増加する空き家に対して、市町村は条例を制定して行政代執行で撤去などを行う取り組みを進めてきましたが、これまで個人情報保護の観点から空き家の所有者の把握が難しく、国に法整備を求める声が上がっていました。今回の法律によって、市町村が所有者の把握をはじめ、必要な対応を取りやすくなることが期待されます。
しかし、行政が撤去や修繕を命令できる「特定空き家」は、地域への影響や危険性が特に大きいとされるものに限られ、増加する空き家全体の対策として限界があります。
また、個人の資産である建物を「特定空き家」と見なすには個別のケースごとに判断が必要になるうえ、市町村が強制的な撤去に踏み切ると財政負担が発生するため、こうした対応がどこまで広がるかは不透明です。
このため国土交通省は、空き家の増加を抑えるためには、まず、今の空き家の活用を進めていく必要があるとしています。
市町村の間では、長野県佐久市大分県竹田市などのように、空き家の再生を図るため、空き家の情報を集めて希望者に提供するところや、移り住んでもらう場合に改修費用を補助するところも出ています。
そのうえで、中古住宅市場やリフォーム市場を活性化させて、長く住むことができる住宅を増やすことなど、空き家のニーズを増やすための中長期的な取り組みが必要になるとしています。