https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

バロンズ誌:通説に反し、利上げ開始イコール米株安のワケ

ルートールド・グループのダグ・ラムジー最高投資責任者(CIO)いわく、FF金利の変化は米株の行方を占うインディケーターでした。ゼロ近辺という低金利では、ちょっとした変化すら過剰な反応を引き起こしかねない。それこそ、バランスシートを金融危機以前の4倍に膨らませた量的緩和QE)の功罪と言えるでしょう。

ラムジーCIOは、ニューヨーク証券取引所に上場する銘柄のうち30日移動平均線を上回るのは半分以下に過ぎず、失速の兆しが現れていると分析。S&P500が過去75ヵ月間で215%も躍進する「歴史的なラリー」を遂げた後では、下落もあり得ると言うものです。

ヤルデニ・リサーチのエド・ヤルデニ氏は、超低金利政策は需要より供給サイドの拡大につながったと指摘します。典型的な例が、シェールガス・ブームでしょう。ラムジーCIOもゼロ近辺金利政策がインフレよりデフレを引き起こし日本がゾンビ企業を生んだように、非経済的な企業の資金調達を可能にしたと主張。アンダーパフォームするセクター、今でいうエネルギーや素材への投資を控えるべきと説きます。2007年10月に株価がピークを迎えた当時の金融株と同じく、大惨事を招きかねないというのがその理由です。

1987年のブラック・マンデーを的中させたマーティン・ツヴァイク氏は「Fedに逆らうな(Don’t Fight The Fed)」との名言を残しました。

過去の例を振り返ると、利上げが開始し数回引き上げられたところで米株への影響は限定的でした。しかしラムジーCIOは「今回は違う」と判断し、「Fedに逆らうべき」と強調。バランスシートは、わずかながら縮小しておりFF金利動向に変化がなくとも引き締めへの第一歩を踏み出したと言える。2009年3月に幕開けした強気相場がバランスシートによって支えられたのであれば、なおさら気をつけなければいけません。