議論の内容の先進性よりも、言辞の華やかに憧れる人があまりに多いというものまた真実ですね。
アダム君やクニ君たちと普段話していることは、世界の最先端のさらに先にあることなので、そのまま言っても誰も理解できないのが良く分かります。われわれの課題は、どうやったら分かってもらえる話し方をするかですね。
国際会議で、ご意見番的になんにでも口を出す人は、どんなに権威のある人でも、あんがい自分に自信のないことの裏がえしなのだと思います。今回もそれをしみじみと味わいました。
ある意味で、世界最高峰の大学の教授なのに、自分に自信がないので自分の知っていることをありったけ出してきます。本質的でない話が多いですが、そのソフィスムに幻惑される人も多いものです。
これは観察ではなくて、想像なのですが、自分に自信のない人は自分の前にいる自然体の人間が怖いのでしょうか?
レーンはアヴェロエスの知性論にはコズミックな次元はまるでないといいますが、アラビア伝統をみても、ユダヤ伝統をみても、宇宙論的な含意があることは確かです。ちゃんとした研究もあります。それを無視して、アクィナス以降の中世ラテン伝統だけ見ていてもダメでしょう。
世界の錚々たるメンバーも、スコラ学といって、アクィナスの伝統は思いついても、スコトゥスのことは殆どなにも知らないことが分かりました。
「時空を超えた不朽のメッセージを読みとるべきか歴史の産物として距離感をもって臨むべきか古典解釈の普遍的問題」
⇒アンソニー・グラフトン/ヒロ・ヒライ監訳解題/福西亮輔訳『テクストの擁護者たち 近代ヨーロッパにおける人文学の誕生』勁草書房http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1106562762/subno/1
もちろんこちらも。「古典とはなにか。どのようにして選ばれ、伝えられてきたのか。…」
⇒アンソニー・グラフトン/ヒロ・ヒライ監訳・解題/福西亮輔訳『テクストの擁護者たち 近代ヨーロッパにおける人文学の誕生』勁草書房http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4326148284/
「…ルネサンス以降に盛んになる古代ギリシア・ローマの古典の再生と受容、旧約聖書と各国史を結びつけて天地創造から世界の終末まで描こうとする普遍史や年代学、真作と偽作の問題、聖書やホメロスの叙事詩─古典テクスト解釈の歴史をたどり、人文学の誕生と伝統を明らかにする。」
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150627#1435401460
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150627#1435401467
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150627#1435401472
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150626#1435315076
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150626#1435315108
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20141025#1414233789