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井山名人、4連勝で防衛 囲碁名人戦第4局:朝日新聞デジタル
囲碁名人戦七番勝負 第4局2日目ダイジェスト:朝日新聞デジタル

三重県志摩市のホテル「賢島宝生苑(かしこじまほうじょうえん)」

 対局室には「邯鄲之夢(かんたんのゆめ)」と書かれた掛け軸がある。出典は中国の唐の時代の小説「枕中記(ちんちゅうき)」。中国の邯鄲の里で、出世を望む男が短い昼寝の間に栄華を極めた一生を夢に見た。しかし、目覚めてみれば、寝る前に火にかけた粥(かゆ)がまだ煮上がっていない、わずかな時間だった――という内容で、人生のはかなさのたとえに使われる。


 実際に流れる時間と、人間の感じる時間の「ずれ」を描くこの故事は、どこか囲碁に通じるところがある。昔、木こりが山に入り、仙人の打つ碁を見ているうちに、持っていた斧(おの)の柄が朽ちたという故事から、碁のことを「爛柯(らんか)」という。「爛」はただれる、柯は斧の柄のこと。囲碁はそれを楽しむ人に時を忘れさせる。


 人間を夢中にさせる囲碁の最高峰を争う井山名人と高尾挑戦者。真剣に手を読み続ける両者はどんな時間を感じているのだろうか。

 12:00 昼食の時間。両者ともに「天ぷらそば」を注文した。別添えの天ぷらは、大ぶりのクルマエビに伊勢湾産の穴子、しいたけ、ししとうの4種類。伊勢湾でとれたアオサを混ぜた衣は風味豊かで海の香りを感じることができる。薬味にはネギとかつお節が添えられた。副菜は地元産の柿「蓮台寺」を豆腐とごまであえた白酢あえ。


 いずれも今回の名人戦のために料理長が用意した特別メニューだ。

15:00 井山名人、高尾挑戦者の対局室におやつが運ばれた。両者とも昨日と同じくフルーツ盛り合わせ。


志摩の特産品「南張メロン」や季節ものの巨峰とオレンジが並んだ。もみじといちょうの葉が添えられ、季節感がたっぷりだ。