一連の公式行事は夜まで続き、アキノ大統領主催の歓迎の晩さん会では、大統領のスピーチに続いて、天皇陛下がおことばを述べられることになっています。
また各紙は、今回の訪問が日本とフィリピンの親善を目的としているだけでなく、サイパンやパラオに続く戦没者を追悼する旅であることを強調しています。
両陛下は、27日午後、国賓としての公式行事の合間に、マニラの英雄墓地にある「無名戦士の墓」を訪ねられました。ここには、太平洋戦争などで犠牲になったフィリピン人の兵士がまつられています。
半旗が掲げられ、日本とフィリピン両国の国歌が演奏されたあと、両陛下は、フィリピン軍の兵士が見守るなか、陸軍の司令官の先導で慰霊碑の前まで進まれました。そして、用意された花輪が慰霊碑の前に立てかけられると、深く長く拝礼をして犠牲となった人たちを悼まれました。続いて、礼砲や鎮魂のラッパが鳴り響くなか、出席者とともに黙とうをささげられました。
天皇陛下は、去年、来日したフィリピンのアキノ大統領を歓迎する晩さん会で、先の大戦で多くのフィリピン人が命を失ったことについて、「日本人が深い痛恨の心とともに、長く忘れてはならないことである」と述べられていて、「無名戦士の墓」は両陛下の意向で訪問先に加えられたということです。
両陛下は、29日には太平洋戦争の戦没者のため日本政府がマニラ郊外のカリラヤに建てた慰霊碑を初めて訪ねられます。