https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

第247回 不安に克つ|塾長雑感

「不安」は人の心理に依拠した主観的な概念であり、現実ではありません。その範囲は際限なく広がる可能性があります。

「不安」を解消する唯一の方法は、冷静に不安の原因をよく見きわめ、どのような具体的危険があるのかを明らかにし、ひとつずつ解決していくことです。

対処法の本質は同じです。主観的な不安というものと客観的な危険性をきちんと区別をすることが出発点です。

こうして知性と理性で不安の原因を客観的に明らかにしながら対処法を見つけていくのです。

そうした不安に押しつぶされそうになったときにこそ、自分を客観的に観察する力を鍛えることができるのです。

いつも言っているように不安を紙に書き出して可視化します。その上で不安の原因も書き出してみます。なぜ、不安を感じるのか、その原因を3段階くらい掘り下げて書き出してみると、実はたいしたことのない理由で不安を感じていることがわかります。不安は現実ではなく、対処可能なものだと認識することができます。

法律家や公務員として仕事をするということは、常に不安と向き合うことを意味します。弁護士としてどんな裁判でも絶対勝てるということはありません。裁判官や検察官、公務員になっても絶対に正しい判断ができることなどあり得ません。常になんらかの不安がつきまといます。特に初めての案件や憲法訴訟のように人があまりやらない裁判においてはなおさらです。ですが、そもそもリスクや課題のない訴訟などあり得ないのですから、そうした場面でも不安に打ち克って挑戦する意欲と能力があるかが試されることになります。不安を克服して現場で活躍できる法律家や公務員になるために今の試練があるのだと自覚できれば不安を味方にすることができます。これもまた試験に挑戦する重要な意義です。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160301#1456828558(牛過窓櫺)
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160227#1456569587

#勉強法