安田純平さんは去年6月、シリアの内戦の取材のためトルコ南部からガイドと共にシリア側に入りましたが、その後行方が分からなくなっています。
安田さんを写したものだとされる映像が16日、シリアの反政府勢力の活動家のフェイスブック上で公開されました。映像で、男性は机の前に座り、英語で「ヤスダ・ジュンペイ」だと名乗ったうえで、「きょう3月16日は私の誕生日で、彼らから『メッセージを送っていい』と言われた。妻そして父、母、兄弟を抱きしめ、話をしたいが、もうできない」と、話しています。そして「私の国に対して言わなければならない。痛みで苦しみながら暗い部屋に座っている間、誰も反応しない。誰も気にとめていない」などと用意された文章を読み上げる形で話しています。
安田さんは埼玉県出身で、新聞社の記者を経てフリージャーナリストになり、シリアやイラクなど紛争地を取材してきました。
映像を公開したシリア人の男性はNHKの電話取材に答え「安田さんはアルカイダ系の武装組織ヌスラ戦線に拘束されており、映像は解放に向けた仲介役を務めている人物から16日に入手した」と話したうえで、映像がどこでどのような状況で撮影されたのかについては「分からない」としています。