一般の原発でプルトニウムを燃料に使うプルサーマルを巡っては、電事連が福島第一原発の事故の2年前に「2015年度までに16から18基の原発で実施を目指す」という計画を公表していました。しかし、原発事故のあと多くの原発で再稼働の見通しが立たなくなっており、電事連は29日の原子力委員会の会合で、今後の計画について「16から18基で使うという考えに変わりはない」と説明しましたが、具体的な実施時期については示しませんでした。
プルトニウムは核兵器の原料になるため、使う目的のない量を持たないことが原則で、日本は保有状況や使用状況を毎年公表しています。しかし、すでに保有する、核兵器6000発近くに当たるおよそ47トンについて、原発事故のあと具体的な利用計画を示せない状況が続いています。
29日の会合で、原子力委員会側は「やむをえないものの、できるかぎり具体的な説明に努力するよう期待したい」としましたが、プルトニウムの使いみちがはっきりしない状況が続いていて、国際社会の懸念が高まることも予想されます。