https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

【住友金属鉱山】14年ぶりの赤字転落でも米鉱山へ巨額投資の大博打|財務で会社を読む|ダイヤモンド・オンライン

 住友鉱はチリ銅鉱山の689億円もの減損損失が響き、2016年3月期に14年ぶりの経常赤字に転落することが確定したばかり(図(1))。この逆風下に積極投資に打って出たことに、市場関係者は驚きを隠せなかったのである。


 では、住友鉱が動いたのはなぜか。モレンシー銅鉱山は、鉱石の銅含有量が多いため、「主要な銅鉱山を生産コストの低さで評価すると、上位3分の1のクラスに入る優良物件」(業界関係者)といわれる。銅価格の低迷を懸念する声も上がるが、住友鉱は、資源安が当分続いたとしても採算が取れると踏んでいるのだ。


 こうした機会に備えて、住友鉱は万全の準備をしてきた。いつでも機動的に投資できるよう自己資本を厚くしてきたのだ。実際に、住友鉱の自己資本比率は61%と高く、同業の三菱マテリアルの2倍近い(図(2))。


 一般的には、日本の非鉄金属大手の資源ビジネスは主に、鉱山開発を行う「資源事業(川上)」と、鉱石から金属を取り出す「製錬事業(川中・川下)」から成り立っている。


 今回、リスクを冒してまで住友鉱が“川上”の鉱山投資に打って出るのは、製錬事業の利幅が小さくなっているためだ。


 住友鉱も含めて、日本の非鉄金属大手の製錬所は、原料の多くを海外の資源メジャーに依存している。近年、中国による鉱山買い占めや資源メジャーの寡占化によって、鉱山側の交渉力が著しく強くなった。そうなると、割を食うのは製錬所側だ。

 住友鉱が狙っているのは、金鉱山の権益確保である。銅やニッケルの価格は資源価格の乱高下に左右されやすいが、安定資産である金の生産を増やせば、その影響を緩和できるからだ。チリ銅鉱山で痛い目に遭ったばかりであるだけに、金への執着は強い。


 もっとも、相場が堅調な金の鉱山を売る会社はなく、「目標達成への方策を描けていない」(中里佳明社長)のが現状だ(図(3))。

住友グループの祖業は銅の製錬である。この伝統あるビジネスを支えるためには、「鉱山投資の積極化」と「材料事業の収益化」という新たなステージへ突き進むしか手段はない。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160407#1460025469
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160328#1459161663

#gold