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「○○社長→○○さん」ロート製薬が「役職呼び」をやめた理由 ロート製薬会長・山田邦雄氏に聞く!(第1/3回)|最高のリーダーは何もしない:内向型人間が最強のチームをつくる!|ダイヤモンド・オンライン

【山田】やらざるを得ないからリーダーをやっているけれど、そもそも根っからのリーダータイプというわけでもないんですよ。


【藤沢】本にも書きましたが、「いかにもリーダー」という雰囲気がない人が素晴らしいリーダーシップを発揮している、という組織が増えているように思います。

【山田】リーダーシップというのは、ある意味「状況によるもの」だと僕は思うんです。同じ人が場面によってリーダーになることもあれば、メンバーシップを発揮すべきときもありますよね。この人はリーダー、あの人はメンバーというのではなく、状況に応じて、それぞれが役割を果たしていく、というのが本来の姿なんやろうなと。


【藤沢】そう思います。

【藤沢】自分は優れたリーダーではないとおっしゃっていましたが、それはなぜですか?


【山田】もともと僕自身は、リーダーシップをとるタイプかというと、必ずしもそうではないんです。学生時代に生徒会長をやっていたわけでもないし、今でも会社以外の場所では決してリーダー的なキャラクターではないですね。


けれど、先祖がはじめた事業を守り育てていく立場にある以上、リーダーとしてやっていかざるを得なかったという側面があります。

【藤沢】先代から受け継いだ事業に対する責任感ですね。


【山田】そうなんです。あと、僕にはやっぱり、自ら起業した人たちのような「すごさ」がない、という思いがあります。言い方を変えれば、今の環境や立場は引き継いだものであり、自分の努力で得たものではない。僕は「通過点の人」なんだよね。でも、だからこそ「せめて何かを残さなければ…」という思いでやっているわけです。

【山田】僕自身、かつて阪神大震災を経験しましたし、被災地の未来を担うのは子どもたちですからね。


あとは、親から受け継いだところもあるんでしょうね。先代も含めてうちの先祖たちは「世のため、人のため」ということを僕以上に実践していた。そういうところは絶対に大事にしていきたいし、そうするのが当然だという思いがあります。