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木山 はい。全然重要な情報じゃないのでさらっと言いますけど、もともと漫画家になりたくて。でも、漫画は絵が上手な人には勝てないと思って中学2、3年の頃に諦めて、漠然と文章で何かしたいと。
 はっきりとそうだったとはいえませんが、結果論的に今の自分の状況を見て振り返って考えると、生業として「ものを生み出して行きたい」という思いがあったのだと思います。

――税に興味があった…というわけではないのですか?


木山 そうですね、この点も大事なことだと思うのですが、税務が好きでやりたくてやったというのではなくて、目の前に大量にやってくる案件が希少性の高い税務事案だったということです。鳥飼弁護士のもとに普通の事務所では扱えないような、そして、判決がでれば先例になり、民集に登載されるような税務案件が山ほどあったからです。これほどのチャンスはないと思いました。ですから、税務が好きで好きでたまらない(やりたくてたまらない)というような、オタク的な思考で選んだのではなく、現実的に冷静にとらえて、これを専門分野にできるほどに集中して仕事をすれば、必ず将来自分の大きな力になると考えての決断だったのです。


 弁護士になった当初は、ストックオプションの税務訴訟が全国的に100件くらいあり、そのうちの50件近い訴訟を弊所で担当していました。判決は記者会見などを通して大手メディアに掲載されていました。当時、先輩の弁護士が主任だったのですが、半年ぐらいしたところで私にバトンが渡されました。そのため、若いうちから記者会見にも座らせていただきましたし、弁護士が一生で1回か2回あるかないかという最高裁の弁論を3年目で2回経験しました。自分が主任でやった税務訴訟で民集に登載されたものもたくさんあります。弁護士になって3年ぐらいの間で多くの税務訴訟で勝ち星をあげ、弊所の代表である鳥飼弁護士も「木山さんがやれば勝つから」といって任せてくれるようになったのです。

――最近の税務訴訟はどのような状況なのでしょうか?


木山 実は税務訴訟の件数そのものは増えてはいません。去年は1年で290件、この10年間ずっと300件以上だったものが少し減っています。税務調査が国税通則法の改正で厳しくなったことから、実地調査(税務調査)の件数が3割ぐらい減りました。それに連動して処分の件数も減ったので、不服の数も減ったというわけですね。最近ではホンダが移転価格税制で75億円の全面勝訴、5月には日本IBMも1100億円の課税処分取消、デンソーも処分取消しの判決が出たりしていて、大企業の法人税の訴訟が賑やかになっています。


 法律が悪ければ改正すればいいのですが、それが間に合わなければ「法律の枠内で解釈を拡張してでも課税しなければならない」というのが国税の考え方です。これに対して納税者側からすると「法律にはそんなこと書いていないじゃないか」と裁判所に判断を仰ぐという図式です。憲法が租税法律主義を定めているからです。東京地裁も今年の4月1日から、行政事件の専門部を増設して税務訴訟に対応しています。裁判所にとっても、件数そのものの負担に加えて、重たい事件が増えているのだと思います。国税と納税者の戦いというのは、永遠になくなることはないでしょう。根本的に「課税をしたい」国税当局と、「課税をされたくない」納税者との間には、やむことのない根源的な二項対立の図式があるからです。 http://www.bizlaw.jp/wp-admin/about.php

#税務訴訟


国税通則法65条4項の「正当な理由」を巡る問題点−裁判例の分析を通して−(要約)


税務研究会:逆転裁判例にみる 事実認定・立証責任のポイント