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オリンピックの美学 : 山口真由オフィシャルブログ

私の高校の体育教師は、柔道一筋の人だった。全日本柔道連盟においても、それなりの重責にあったらしい。その彼が、アトランタオリンピック野村忠宏選手の金メダルについて、


「試合の内容は素晴らしい。しかし、勝ち方はやや残念だった」


と感想を語っていた。


金メダルが確定した瞬間、野村選手は感情を爆発させて、ガッツポーズで咆哮した。これはとても自然な感情のように思える。しかし、柔道教師は、「このとき、敗者はまだマットの上に横たわったままだった。まず手を差し伸べて、相手を助け起こす。それが柔道の精神であるはずだ」と語った。

残心 - Wikipedia

文字通り解釈すると、心が途切れないという意味。意識すること、とくに技を終えた後、力を緩めたりくつろいでいながらも注意を払っている状態を示す。また技と同時に終わって忘れてしまうのではなく、余韻を残すといった日本の美学や禅と関連する概念でもある。

武道における残心とは、技を決めた後も心身ともに油断をしないことである。たとえ相手が完全に戦闘力を失ったかのように見えてもそれは擬態である可能性もあり、油断した隙を突いて反撃が来ることが有り得る。それを防ぎ、完全なる勝利へと導くのが残心である。

たとえば弓道における残心は、矢を射た後も心身ともに姿勢を保ち、目は矢が当たった場所を見据えることである。剣道では、意識した状態を持続しながら、相手の攻撃や反撃を瞬時に返すことができるよう身構えていることを残心と呼び、残心がなければ技が正確に決まっても有効打突にならない。なぎなたの残心のルールは剣道とは異なるが、剣道同様、正確な攻撃であっても残心がないと無効とされる。剣道の試合において一本取った事を喜ぶ様(ガッツポーズなど)が見受けられれば、奢り高ぶっていて残心が無いとみなされ、一本を取り消される事がある。


空手における残心とは完全に意識している状態で、自分の周囲と敵を把握し、反撃の準備もできていることである。柔術における残心は、拳は繰り出すスピードより早く引き戻す、また柔道においても、相手を投げた後もバランスを崩さない、寝技への移行を意識するなど次の攻撃の準備ができていることを意味する。合気道においても、自分が投げたばかりの受け(相手)を意識しながら、万一再攻撃があった場合に備えて体を構えることを残心という。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160820#1471689454
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160819#1471603160