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習主席「宇宙強国の建設に貢献を」 宇宙船打ち上げ成功で | NHKニュース

空軍パイロット出身の2人の宇宙飛行士を乗せた宇宙船「神舟11号」は、日本時間の17日午前8時半、内陸部にある発射センターから打ち上げられました。宇宙船は10分で予定された軌道に入り、プロジェクトの責任者は「打ち上げは円満に成功した」と宣言しました。
このあと宇宙船は2日以内に、先月打ち上げた宇宙実験室の「天宮2号」とドッキングし、中国の宇宙飛行士としては最も長い30日間にわたって宇宙に滞在することになっています。


習近平国家主席は、訪問先のインドから祝賀メッセージを送り、「わが国で初めての宇宙飛行士の中期滞在であり重大な進展だ。同志たちが任務の目標を達し、宇宙強国の建設に貢献することを望む」として、宇宙開発を一層進めていく考えを強調しました。
また国営の新華社通信は論評記事を配信し、「中国は今まさに自信をもって世界の宇宙舞台の中心に向かっている」などと成果を大々的に取り上げ、国内外に宇宙開発の進展をアピールしています。

東京大学名誉教授で、日本の宇宙政策を担う内閣府宇宙政策委員会松井孝典委員長代理は、中国が独自の宇宙ステーションの建設を目指して有人宇宙船の打ち上げを進めていることについて、「中国は、ロシアの技術を基に、この10年ほどばく大な予算を投じて着々と宇宙開発を進めてきている。ただ中国の宇宙開発は、科学的な目的というより軍事面、安全保障面の意味合いが強く、アメリカに対抗したいとかなり無理をして進めていると感じる」と述べ、中国の宇宙進出には安全保障上の意味合いが色濃いと指摘しています。


また、「中国は国際宇宙ステーションに参加できないアジアの各国などに、中国独自の宇宙ステーションを利用してもらうことを念頭に置いていると見られ、外交上の意味合いも強い」と指摘しています。


現在の国際宇宙ステーションの運用が、2024年までと見通される中、中国独自の宇宙ステーションが2022年ごろの完成を目指していることについて、松井委員長代理は「国際宇宙ステーションの運用が終わったあとに、中国の宇宙ステーションが存在していれば、欧米からも実験に利用したいと考える研究者は多いと見られ、そうした点でも中国にとって外交上の強力なカードになる可能性がある」としています。


日本やアメリカが、中国と連携して宇宙開発を進める可能性については、「安全保障上、現時点で、アメリカと中国が一緒に宇宙開発を進めることはありえず、アメリカと歩調を合わせる日本も、現時点では、中国と連携することはありえない」としています。


中国で有人宇宙船の打ち上げが進む一方、日本では独自の有人宇宙船の開発計画がないことについて、松井委員長代理は「日本として独自に有人宇宙船の開発を進めようとすると、年間1兆円を超える予算が必要になり、現在の予算を数倍に拡大しても足りない」としています。


そのうえで「宇宙分野で中国の存在感が高まる中、今後、日本としてどのように宇宙開発を進めていけばよいかというのは非常に難しい問題だ。宇宙開発で、世界各国が欲しがるような魅力的な技術を日本として開発しないかぎり、日本の存在感を高めていくことは難しい」と話しています。