日銀「国内不動産市場の動向注視を」報告書 | NHKニュース
日銀は24日に公表した「金融システムレポート」で、国内の不動産市場について、「全体としては過熱の状況にはない」としたうえで、一部に注意すべき動きが出てきていると指摘しました。具体的には、都市部を中心に不動産価格の上昇が続く中、今年度に入って銀行で不動産業向けの貸し出しが一段と伸び、市場では高値での取り引きも見られるとしています。
また、地方の銀行では、不動産を運用先に組み込んだ投資信託=リートを含む不動産ファンドへの投資がさらに増加していると指摘しています。
このため日銀は、大規模な金融緩和で大量の資金が市場に供給され続ける中、不動産市場の動向について今後注意深く点検する必要があるとしています。
一方、報告書では、マイナス金利政策の影響で金融機関が企業への融資や有価証券の運用で稼ぎにくくなる中、今後、収益を確保しようと過度にリスクをとるようになれば、金融システム全体の安定性が損なわれるおそれがあるとして、各金融機関の動向も注意が必要だとしました。