この前スリを摑まへたよ。『オメー何をするのだ、スリか』と言ふと「イヽエ、ちよいとさはりました」と言ふから、『馬鹿言ふな、これは六十銭入つてるが、オメーが一旦気を掛けたものだから己も心持が悪い、やるから持つてお出で』と言つたら「どうも済みません」と礼を言つて持つていつたよ。大笑ひサ
— 勝海舟bot (@KatsuKaishuBot) 2016年12月14日
人間の精根には限りがあるから、あまり多く読書や学問に力を用ゐると、勢ひ実務の方には疎くなる筈だ。学者必ずしも迂闊なのではない。その迂闊なのは、力が及ばないからだ。
— 勝海舟bot (@KatsuKaishuBot) 2016年12月14日
#実学
外国へ行く者が、よく事情を知らぬから知らぬからと言ふが、知つて往かうといふのが、善くない。何も、用意をしないで、フイと往つて、不用意に見て来なければならぬ。
— 勝海舟bot (@KatsuKaishuBot) 2016年12月14日
近頃或る若いものがやつて来て「私は財産もなし、門地も賤しいから、自分独りで豪傑のつもりになつて居ります」といふから、おれは感心して、「そのつもりで十年もやれ」といつて励ましておいたよ。
— 勝海舟bot (@KatsuKaishuBot) 2016年12月14日
おれはモー死にかゝつて、半分耄碌して居るが、世の中の若僧も思ひの外だよ。来年は戌年だといふから、発句を読んで置いた。これを御覧。
— 勝海舟bot (@KatsuKaishuBot) 2016年12月14日
男らしく 大喧嘩せよ いぬの春
征韓論ナンテ、馬鹿な事があるものか。西郷の考へも知らないで、その志をつぐなどといふからわからないのだ。己はあの時、海軍卿だ。戦争のつもりなら、話があらあネ。あとで「一体お前はどうするつもりだつた」と話したら、アハハ笑つて、「あなたにはわかつてませう」と言つたよ。ソレ切サ。
— 勝海舟bot (@KatsuKaishuBot) 2016年12月15日
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20161213#1481625394
水戸の景山(斉昭)を烈公といふが、耳が遠くてなかなかの僻人物サ。あれよりは慶喜公の方がよほど人物だよ。まるであの時の事は今の朝鮮サ。烈公は朝鮮の大院君と少しも変りはしないノー。幕末でもわしが一人で捌きを付けたからよかつたが、一つやりそこなへば、今の朝鮮みたやうになつてしまふのサ。
— 勝海舟bot (@KatsuKaishuBot) 2016年12月15日
日清戦争の勅文の出た頃は、丁度日光へ参つて居た。途中で聞いてビツクリした。宮内省で伊藤にも言つたのだ。その時作つた詩がこれだ。
— 勝海舟bot (@KatsuKaishuBot) 2016年12月15日
隣国交兵日(隣国兵を交ふるの日)
其軍更無名(其のいくさ更に名無し)
可憐鶏林肉(憐れむべし鶏林の肉)
割以与魯英(割きてもつて魯英に与ふ)
一体、政治家は、機勢の変転といふものを見なければならぬ。ソノ工合をチヤンと知つて居ると、政治の塩梅が雑作ないのだ。ワシはもと西洋人の言うた七年一変の説ネ。アレを信じて居るのだ。どうも七八年ないし十年にして人心が一変するよ。
— 勝海舟bot (@KatsuKaishuBot) 2016年12月14日
書生だの浪人だのといふ連中は、昔から絶えずおれのところへやつて来るが、時には五月蠅いと思ふこともあるけれど、よく考へて見ると、彼らが無用意に話す言葉の内には、社会の形況や、時勢の変遷が、自然に解つて、なかなか味ふべきことがあるよ。匹夫匹婦の言も、虚心平気でこれを聞けばみな天籟だ。
— 勝海舟bot (@KatsuKaishuBot) 2016年12月15日
今の小説家はなぜ穿ちが下手だらう。諷刺といふことを殆んど知らない。たまたま書けば、真面目で新聞に毒づくゝらゐの事だ。気が短いのか脳味噌が不足なのか。馬琴の八犬伝も、徳川の末世のことを書いて不平の気を漏らしたのだ。ちよつとみると何の意味もないやうだが、その無さゝうな所が上手なのサ。
— 勝海舟bot (@KatsuKaishuBot) 2016年12月15日
時に古今の差なく、国に東西の別はない。観じ来れば、人間は始終同じ事を繰り返して居るばかりだ。今から古を見るのは、古から今を見るのと少しも変りはないサ。
— 勝海舟bot (@KatsuKaishuBot) 2016年12月15日
今日自分から騒ぎ出して、いくぶんか俗物共に知られて居る奴らは、今から三十年も経たないうちにすぐ忘られてしまふだらうヨ。維新の時でも水戸の烈公はえらいといふので非常の評判だつたヨ。今は日本国中で烈公を知つて居るものが何人あるか。ちよつと芝居をやつたくらゐでは天下に名は挙らないサ。
— 勝海舟bot (@KatsuKaishuBot) 2016年12月15日