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フランスの極右政党、国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首は、2017年の同国大統領選および議会選に必要な2000万ユーロ(約24億5000万円)の資金集めに手こずっている。FNが資金源としていたロシアの金融機関を失ったことが大きいと、同党の財務担当が明らかにした。


  この財務担当者ワルラン・サンジュスト氏によると、FNがモスクワに拠点を置く金融機関ファースト・チェコ・ロシアン銀行(FCRB)が7月にロシア当局から銀行免許を無効とされて以降、同党は他の資金源を見つけられていない。フランス国内の銀行はFNへの資金提供を拒んでいるため、ロシアを含む諸外国の国際的な銀行家を探している。


  サンジュスト氏は「FCRBを失ったことはわれわれにとって痛手だった」とし、「ロシアからの借入金は安定した資金源だった。われわれは現時点で引き続き資金を探し求めている」と認めた。


  米大統領選でドナルド・トランプ氏を勝利させようとロシアのプーチン大統領ハッカーに指示していたと米中央情報局(CIA)が結論づけたことを受け、ルペン氏とロシアとの関係にここ数週間、厳しい視線が向けられている。ルペン氏は来年のフランス大統領選候補者のうち支持率2位につけており、ロシアのシリア軍事介入やクリミア併合を公に支持している。


原題:Le Pen Struggling to Fund French Race as Russian Bank Fails (2)(抜粋)


フランスでは大統領選に出馬する右派の主要候補2名が、プーチン氏とロシアを好意的に見ている。


国民戦線マリーヌ・ルペン党首は、ロシアのある銀行が寛容な態度を示したおかげで、フランスの大統領府であるエリゼ宮をめざす選挙運動資金として940万ユーロ(約11億5000万円)の融資を受けることができた。彼女はプーチン氏を、「西側が仕掛ける新たな冷戦」に「冷静な頭脳」で対応しているとして敬意を表している。


フランス共和党フランソワ・フィヨン党首は、やる気を失った左派が「よりよい選択肢がないため」に彼を支持した場合には、ルペン氏よりも上位に入ると予想されているが、彼もやはり「冷静な頭脳」のプーチン氏の友人と見なされている。


憲法改正をめぐる国民投票でレンツィ前首相が敗北した後、さらに不振に陥っているイタリアでは、対ロ貿易の再開による経済上のメリットを得ようとして、これまで以上に対ロシア制裁の緩和に熱心になっている。ジェンティローニ新首相は、まだ外相の座にあった先月、トランプ氏が「原則を放棄することなく」対ロ関係を改善するならば、イタリア政府にとっては好都合だろうと発言している。


欧州で最も有力な政治家であるドイツのメルケル首相は、制裁の必要性を淡々と繰り返している。だが、そのメルケル首相もここ数カ月、財界ロビーからの圧力を受けており、2017年にホワイトハウスエリゼ宮が親ロシア派の大統領に占拠されるならば、態度を変えざるを得なくなるかもしれない。