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シリアの内戦で、アサド政権はロシア軍の空爆による支援を受けて、反政府勢力の最大の拠点だった北部のアレッポに猛攻撃をかけ、先週、ほぼ全域を制圧しました。


追い込まれた反政府勢力はわずかに残ったアレッポ東部の支配地域を明け渡すことに同意し、今月15日から取り残されていた市民の避難と戦闘員の撤退が断続的に続いてきました。


アサド政権の軍は22日夜、声明を出し、反政府勢力の撤退が終わったとしたうえで、アレッポの治安の回復は重要な転機となる勝利だ」と述べて、アレッポ全域の制圧を宣言しました。


赤十字国際委員会によりますと、アレッポから避難や撤退をした人は22日朝までにおよそ3万4000人に上り、さらに22日夜までに数千人が出たと見られるということです。


反政府勢力はシリアの北西部などを拠点に戦いを続けるとしていますが、圧倒的に優位に立ったアサド政権は反政府側への攻勢をさらに強める構えです。


また、アサド政権を支援するロシアは、こうした機会をとらえて、政権側により有利な形で内戦の終結を図ろうと、停戦に向けた外交活動を活発化させていて、5年に及ぶシリア内戦は大きな転換点を迎えています。

アレッポが完全に制圧されたことについて、シリアの隣国トルコでNHKのインタビューに応じた、反政府勢力「シリア国民連合」の幹部、ヤセル・ファルハン氏は「アレッポで行われた虐殺によって、政権に退陣を求める理由がより明確になった」と述べ、アサド政権による攻撃で多くの市民が犠牲になったことを改めて非難しました。
そのうえで、「政権が市民を標的にし続けるかぎり、国民はあらゆる方法で、自分の身を守るしかない」と述べ、今後もアサド政権との戦いを続けていくべきだと強調しました。


また、国連の仲介による和平協議が中断したまま半年以上が経過する中、アサド政権を支援するロシアが新たな和平協議を主導しようとしていることについては、「ロシアによる駆け引きだ」として、その意図を慎重に見極めていく姿勢を示しました。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20161221#1482316841
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20161216#1481885594


国連のデミストラ特使は22日、スイスのジュネーブで記者会見し、アサド政権を支援するロシアが内戦の終結に向けた新たな和平協議を主導しようとしていることについて、「国際社会が関わる協議はどのような協議も歓迎する。目標は和平の実現で、そのための方法は実際の政治情勢に合わせて調整していく」と述べました。


5年に及ぶシリアの内戦では、ロシア軍の空爆の支援を受けたアサド政権の軍が、反政府勢力の拠点北部のアレッポの全域を制圧したと22日に宣言し、圧倒的に優位に立っています。ロシアとしては、新たな和平協議を主導することで、アサド政権側に有利な形で停戦に持ち込みたい思惑があると見られます。


欧米各国が和平協議を主導できない中、国連のデミストラ特使が、国際社会が関わるのであれば協力していく姿勢を示したことで、今後のシリアの和平協議はロシア主導で進むのではないかとの見方が出ています。