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経団連経済同友会、それに日本商工会議所が新年恒例のパーティーを都内のホテルで開き、企業の経営者らおよそ1900人が出席しました。


この中で、主催者を代表してあいさつした日本商工会議所の三村会頭は「注目するのはアメリカのトランプ新政権の経済政策だ。保護主義による下ぶれリスクがあるという見方が一般的だが、今後2年程度に限定すればマイナスの影響よりもプラスの影響が上回り、アメリカの成長率が上向くと期待している」と述べました。


そのうえで、三村会頭は「トランプ新政権の誕生など不確実性の高い時代だからこそ、企業経営者はただ身を縮めるのではなく、着実に成長できるよう投資や統合・再編などを積極的に実行しなければいけない」と述べ、不確実な状況を克服するために企業経営者は積極的に構造改革を進めるべきだという考えを示しました。


このあと、3つの団体のトップがそろって記者会見し、経団連の榊原会長は働き方改革に関して「労使の合意があれば上限なく時間外労働が認められるいわゆる『36協定』の考え方は、なんらかの歯止めが必要だ」と述べ、経団連としても残業の上限規制を受け入れる考えを示しました。


トヨタ自動車豊田章男社長は「アメリカを強くしたいというトランプ氏の政策は、良き企業市民になりたいと考えるわれわれと方向性は一致している。雇用の確保と税金を納めることを持続的に行えばトランプ氏にも認めてもらえると思うが、自動車産業は影響が大きいので動向を注視したい」と述べました。


新日鉄住金の進藤孝生社長は「積極的な経済運営に対する期待はあるが、保護主義的な政策をとるのではないかと心配している。NAFTA=北米自由貿易協定が見直されると、日本はメキシコでアメリカに輸出する車や製品を作っているのでなかなかきついことになる。日本経済にとって大変、影響が大きい」と懸念を示しました。


三井物産の安永竜夫社長は「ビジネスを知り尽くしたアメリカ経済の成功者が引っ張っていくわけだから、アメリカ経済にとってよい手をドンドンと打っていくと思う。その流れを受けて為替相場は円安に、また株価も強含みで推移すると思う」と期待感を示す一方で、「政策効果の持続性がどこまであるのかについて注意が必要だし、新興国経済に与える影響もチェックしなければならない」と述べました。


みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長は「いちばん大きな不確実性はトランプ政権の政策だ。特に貿易関係と対外的な外交関係で、どのような政策が打ち出されるののかが不透明だ」と指摘しました。その一方で、「財政を使ってインフラ投資を加速しながらアメリカ経済を押し上げていくという政策によって、アメリカ経済はしばらく好調が続くだろう。これは日本経済にとっても悪い話ではなく、順調にいけばプラスの方向に働くだろう」と述べ、日本経済を押し上げる効果も期待できるという認識を示しました。


新日鉄住金の進藤孝生社長は「いろいろなリスクはあるが、自動車を中心に国内の製造業は底堅いと思う。今後は、オリンピックやパラリンピックの需要も出てくるので、緩やかな景気の回復が続くと思う」と述べました。


三菱商事の垣内威彦社長も「アメリカのトランプ次期大統領は積極的なインフラ投資に加えて減税も実施するということで、アメリカ経済が活況を呈する可能性が極めて強い。輸出産業を中心に日本の企業業績も上向く可能性が極めて高く、少なくとも1年くらいは好調が持続する」と述べ、期待感を示しました。


セブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長は「円安・株高で始まって非常にいいスタートとなったが、この円安が続けば、原油高と相まってことしの後半にかけて物価高になることが心配だ。お客様の財布のひもはまだ固いので、そのひもを刺激するためにも新しい価値をどれだけ提案できるかにかかっている」と述べました。


三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長も「このところの株価の上昇で高額品の消費は多少、盛り返してきてはいるが、所得の中間層の消費はまだまだ厳しい状況だ。相当の企業努力をしなければこの状況は改善できないと思う」と述べ小売業界からは依然として力強さに欠ける個人消費への懸念が示されました。


みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長は「足元では消費も設備投資も決して強いわけではないが、全体としては回復基調が続くだろう。ただ、日本経済は単独で成立しているのではなくアメリカやヨーロッパ経済の動向に左右されるため、金利や為替の動向次第では、景気がスローダウンする可能性が全くない訳ではない」と述べ、海外経済の動向を注視すべきだという認識を示しました。