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 ――2時間に及ぶ対談後、井山六冠は真っ白な色紙に流麗な筆運びで「雅」と揮毫した。「勝敗はもちろん大事だが、そういうことだけではない棋士の思いを込めて」と井山六冠。次の手を決断するとき、無難に逃げずリスクを背負い、自分の最善を信じて「打ちたい手を打つ」という美学を貫く。


 藤井四段が振るったのは「無極」の2文字。果てがないこと。もっともっと成長したいし、成長する。自らに限界をつくらない覚悟を込めた。まだ筆さばきはたどたどしいが、一文字一文字を丁寧に書き上げた。