https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

将棋の八大タイトルの1つ、「棋聖戦」五番勝負の第2局が兵庫県で行われ、挑戦者の佐々木大地七段(28)が藤井聡太七冠(20)に勝利し、勝敗を1勝1敗の五分に戻しました。

棋聖戦」五番勝負は23日、兵庫県洲本市で第2局が行われ、佐々木七段の先手で始まりました。

対局は後手の藤井七冠が序盤から攻めの姿勢を見せる中、佐々木七段も攻めの機会をうかがう展開となりました。

午後に入ると佐々木七段が持ち駒を増やしてペースを握ると、藤井七冠も大駒の「飛車」や「角」を繰り出して勝負に出ます。

終盤、互いに持ち時間をほぼ使い切って一進一退の攻防が続く中、佐々木七段が相手の隙を突いてそのまま寄せきり、午後7時20分に藤井七冠が111手までで投了しました。

この結果、第2局は佐々木七段が勝利し、勝敗を1勝1敗の五分に戻しました。

佐々木七段はタイトル戦への挑戦が初めてで、7月7日に開幕する「王位戦」七番勝負でも、藤井七冠への挑戦権を獲得しています。

一方、現在7つのタイトルを保持する藤井七冠は、今回が今年度2回目のタイトル防衛戦で、「棋聖戦」は4連覇を目指します。

棋聖戦」五番勝負は8月にかけて日程が組まれ、次の第3局は7月3日に静岡県沼津市で行われます。

終局後の両者は
タイトル戦で初勝利をあげた佐々木大地七段は「いろんな方に応援していただいたので、まずは一つ勝てて次につなげられたのがよかった。第3局は後手番なので、しっかり準備して熱戦にできるよう頑張りたい」と話していました。

一方、敗れた藤井聡太七冠は「ずっと苦しいと思っていて、一瞬よくなったところもあったが、佐々木七段の『寄せ』にいった手がすばらしく、負けにしてしまった。次はもっと競り合いにできるように頑張りたいと思う」と話していました。

藤井七冠 「王座」挑戦権をかけたトーナメントで劇的大逆転

将棋の八大タイトルのうち、「棋聖」のタイトル防衛戦に加え、7月から同じ佐々木大地七段を相手に行われる「王位」の防衛戦にも臨む、藤井聡太七冠。

並行して続いているのが、藤井七冠が獲得していない唯一のタイトル「王座」への挑戦権をかけたトーナメントです。

王座戦」挑戦者決定トーナメントは、予選を勝ち抜いた棋士と、シードの棋士合わせて16人が争い、これまでの藤井七冠の最高成績は初めて参加した5年前のベスト4でした。

6月20日、その時以来となるベスト4進出をかけて、村田顕弘六段(36)との準々決勝に臨んだ藤井七冠。

序盤で互いに駒組みを進める中、先手の村田六段は、自身が研究を進めている戦法「村田システム」を披露しました。

「角道」をあけずに「銀」が上がっていき、攻めに厚みを加える戦術で、この日は、後手の攻めにより対応できるよう「銀」のルートを変更した、本人、名付けて「“シン”村田システム」を展開しました。

藤井七冠との対局に向けて、さまざまな変化を想定して入念に準備をしたという村田六段は、終盤にかけてペースを握ります。

藤井七冠は苦しい展開が続き、持ち時間も先に少なくなって、AIの評価値では、徐々に村田六段に形勢が傾いていきました。

さらに相手を追い詰めたい終盤の67手目で、村田六段は1時間を超える長考をします。

その後も村田六段の優勢は続き、評価値では村田六段のほうが90%近い値を示しますが、負けられない藤井七冠も、76手目で予想外の「銀」を使った勝負手に出ます。

この「銀」をとると村田六段の「玉」に詰みがあり、局面を複雑にする藤井七冠の仕掛け。

藤井七冠のこの指し手は「全く見えていなかった」と振り返る村田六段。

「銀」は取らずに別の手を指しましたが、すでに少なくなっていた持ち時間をさらに使い、その後、使い切ります。

両者が1手を60秒未満で指す「1分将棋」に入る中、藤井七冠がさらに80手目で「金」を踏み込み、村田六段が慌ててその「金」を取り払うと、90%以上だった評価値が一気に逆転。

藤井七冠がペースを握り、「1分将棋」ながら相手玉の詰みを正確に読み切ってそのまま逆転勝ちをおさめました。

対局後、NHKの取材に応じた村田六段は「持ち時間が少ないと確認する時間もなくて、目が見えていない状態で戦場に立っている感覚でした。どれだけ優勢だろうと思っても藤井七冠に勝つのは難しいことだと思わされました。もしまた対戦する機会があれば『シン村田システム』でまた挑みたい」と話していました。

藤井七冠 「王座」挑戦権トーナメント 次の相手は羽生九段

藤井聡太七冠の次の対局は、6月28日に行われる「王座戦」挑戦者決定トーナメントの準決勝で、相手は、日本将棋連盟の会長に6月に就任した羽生善治九段です。

藤井七冠と羽生九段はこれまで14回対局し、対戦成績は藤井七冠が11勝、羽生九段が3勝です。

ことし1月から3月にかけて行われた「王将戦」七番勝負では、両者の“タイトル戦初顔合わせ”として大きく注目されました。

27年前に当時の七大タイトルを独占し、これまでに獲得したタイトルが史上最多の通算99期となるなど、数々の記録を打ちたててきた羽生九段でしたが、2021年度は不調が続き、去年2月に棋士として最も上のランクの「A級」から「B級」に陥落しました。

藤井七冠との年齢差は32歳で、それまでの対戦成績からも「王将戦」七番勝負では、タイトルを持つ藤井七冠が有利ではないかという見方がありました。

しかし、挑戦者の羽生九段は多彩な戦術を見せ、オールラウンドプレーヤーとしての本領を発揮し、先手となった第2局と第4局で白星をあげました。

藤井七冠を相手にタイトル戦の七番勝負で2勝をあげたのは2人目で、藤井七冠が4勝2敗で結果的にタイトルを防衛したものの、将棋界を代表する2人の棋士の熱戦となりました。

不調が続いた中での活躍について、羽生九段自身はこれまでのNHKの取材に対し「新しいことを模索している時期が続いていた」と振り返っていて、羽生九段がAIを将棋の研究にどう取り入れていくかの試行錯誤の期間を経た結果、復調につながっていると見る棋士もいます。

日本将棋連盟の会長に就任した際にも、ふだんの対局と並行しながら業務にあたることについて「逆に忙しくなったほうが時間管理としてメリハリをつけられるとも考えています」と話していた羽生九段。

「王座」は、ほかのタイトルと比べて最も多い通算24期を獲得した実績があります。

一方、藤井七冠は5年前から「王座戦」に参加し、初参加したときの挑戦者決定トーナメントでのベスト4がこれまでの最高成績です。

藤井七冠が自身初の決勝に勝ち上がり、前人未踏の「八冠」達成へ前進するか、羽生九段が同じく前人未到の「タイトル通算100期」へ一歩近づくか、勝敗の行方が注目されます。

d1021.hatenadiary.jp

#囲碁・将棋