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安倍晋三首相の経済政策の助言役を務める本田悦朗駐スイス大使は、日本銀行黒田東彦総裁の後任について、アベノミクスを再構築し、人心一新できる清新な人材がふさわしいとの見方を示した。


  本田氏は6月29日の電話取材で、2012年末の第2次安倍政権発足とともにアベノミクスが始まった際は金融政策を転換する「レジームチェンジが起こり、みんなが期待した」と指摘。消費増税をきっかけにデフレ脱却へ向けた勢いが失われているとし、次期総裁にはアベノミクスの初心に帰るため「レジームチェンジをきちんと再構築できる清新さと、人心を一新できる人間的魅力や誠実さが必要だ」と述べた。


  財政政策を担う政府首脳や市場との意思疎通能力についても条件に挙げるとともに、「増税を主張するような人は適切ではない」と話した。具体的な候補名は明らかにしなかった。1月の取材では黒田総裁の後任について、再任も「一つのやり方」だと話していた。


  本田氏は前内閣官房参与。安倍首相に近い元日銀審議委員の中原伸之氏によると、政府・日銀が2%の物価目標を掲げた13年1月の共同声明原案の議論に関わった。今回の取材でもアベノミクスに「いろいろな形で寄与することはやり続けたい」と表明した。


  来年4月に任期満了を迎える黒田総裁は13年3月の就任以降、長短金利操作付き量的・質的金融緩和などを導入し2%の物価上昇を目指したが、道のりは遠い。菅義偉官房長官は6月、後任はデフレ脱却に理解のある人物がふさわしいとの見解を示した。ブルームバーグが同月にエコノミストに行った調査では、本田氏を黒田総裁の後任に挙げる声もあった。


金融と財政は車の両輪


  本田氏は、日銀は現在の金融政策の枠組みを維持すべきだと主張した。ただ低金利で地域金融機関の利潤が減少しており、金融システムを守る意味では「金融政策には限界がある」とも指摘。デフレ脱却まで財政を拡張的に運営し、金融と財政が「車の両輪として相乗効果を発揮することが大原則」と話した。


  具体的には、国債発行量を急激に減らすのは引き締めだとして、「財政赤字がほぼ一定になるぐらいの運用をしてほしい」と述べた。19年10月に予定されている消費再増税についても、14年4月の引き上げが消費の低迷をもたらしたとして否定的な見解を示した。


  「今はデフレから脱却できる最高のチャンス」と本田氏は強調。日本は「政策でデフレを脱却しようという偉大なる挑戦をやっている。成功させ、万が一デフレになった場合でも政策で脱却できるというモデル、いわばアベ・モデルを世界に示したい」と述べた。

#リフレ#アベノミクス