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アメリカでは今月12日、南部バージニア州で白人至上主義などを掲げるグループと、これに抗議するグループが激しく衝突し死傷者が出た事件を受けて、事件のきっかけになった南北戦争当時に奴隷制を支持した南軍を率いたリー将軍銅像など南北戦争に由来する銅像を撤去する動きが広がっています。


これについて、トランプ大統領は17日、ツイッターに「美しい銅像やモニュメントが撤去されることで、私たちの偉大な国の歴史や文化が傷つくのを見るのは悲しい。非常にばかげている」と書き込み、銅像を撤去する動きを批判しました。


トランプ大統領は15日も記者団に対して初代大統領のワシントンと第3代大統領のジェファーソンが奴隷主だったと指摘したうえで、銅像の撤去が建国の父にも広がりかねないと批判していました。


アメリカでは、これまでも第7代大統領のジャクソンが奴隷主だったとして銅像の撤去を求める黒人の団体と反対する白人の団体が衝突したことがありますが、今回の大統領のツイートは、分断が深まるアメリカで、一方の白人側を擁護した書き込みだという指摘も出ていて、再び物議を醸しそうです。

差別問題などの調査・研究を行っているアメリカのNPO「南部貧困法律センター」によりますと、公共の場にある南北戦争の南軍に由来する銅像や南軍の将軍らの名前を冠した公共施設などは、アメリカ各地に少なくとも1503件確認されているということです。


このうち、南軍を率いたリー将軍や南軍兵士の銅像やモニュメントは718件で、その多くは今回、事件のあったバージニア州のほかジョージア州ノースカロライナ州を中心に南北戦争で南軍として戦った南部11州に設置されています。


設置された時期は1900年ごろからの20年ほどの間が最も多くなっていて、南部各地で学校やレストランなど公共の場で黒人を隔離することが制度化されたり、白人至上主義団体KKK=クー・クラックス・クランの活動が活発化した時期と重なります。


その後、人種差別撤廃を求める公民権運動が盛り上がり、それに対する反発も高まった1960年代にも設置が増えています。


また、銅像やモニュメント以外にも南部の6つの州では公共の場に南軍の旗が掲げられています。


さらに南部各州を中心に南軍の将軍らの名前を冠した公立学校が少なくとも109、軍の基地が10あるほか、南部の6つの州では、南軍の指導者や兵士をたたえる祝日が設けられています。

南北戦争の南軍に由来する銅像などについて白人至上主義者などの間からは人種差別の象徴ではなく、歴史を伝える遺産で、南部の誇りを示すものだといった主張が聞かれます。


これに対し、差別問題などの調査・研究を行っているアメリカのNPO「南部貧困法律センター」は、奴隷制の存続を望んで戦った南部各州で奴隷とされ、その後も差別に抑圧された黒人に起きたことを考えれば法の下の平等の理念に反し、公共の場にはふさわしくないと反論しています。


また、トランプ大統領が奴隷主だったと指摘した初代大統領のワシントンや第3代大統領のジェファーソンなどの像については、一般的に白人至上主義や黒人への抑圧に密接に結びついたことでたたえられているわけではないとして撤去の必要はないとしています。


アメリカでは今月12日に起きた南部バージニア州での衝突事件を受けて南北戦争に由来する銅像を撤去する動きが広がっていて、これについてトランプ大統領は17日、ツイッターに「ばかげている」と書き込み、撤去の動きを批判しました。


これに対し野党・民主党の下院トップのペロシ院内総務は声明を出し「連邦議会は民主主義のまさに心臓部で、そこにこうした銅像はふさわしくない」として議会から銅像を撤去するよう呼びかけました。


一方、議会上院の外交委員長をつとめる与党・共和党の重鎮、コーカー議員は記者団に対し「トランプ大統領は、安定し能力のある大統領であることを示せていない。なにか抜本的な変化が必要だ」などと述べ、大統領を公然と批判しました。


また民主党のコーエン下院議員も声明を出し「トランプ氏には大統領として必要な道徳がそなわっていない」として大統領の弾劾を求める決議案を提出する意向を明らかにしました。


議会は共和党が多数を占めるため決議案が可決される見通しは今のところありませんが、大統領に対する反発は強まっていて、政権運営にも影を落としかねない状況になっています。


ことし6月、静岡県伊豆半島沖でアメリカ海軍横須賀基地に配備されているイージス駆逐艦フィッツジェラルド」とフィリピン船籍のコンテナ船が衝突し、イージス艦の乗組員7人が死亡しました。


この事故でアメリカ海軍は17日、「イージス艦内で重大な過ちがあった」として艦長や副艦長などイージス艦の責任者3人の解任を発表しました。
アメリカ海軍は事故の原因は現在も調査中だとしてイージス艦にどれだけ責任があるのかについては明言を避ける一方、艦長ら3人のイージス艦を率いる能力に対する信頼が失われたのは明らかだと説明しています。


アメリカ海軍はさらに、周囲の監視に問題があったとして艦の見張りを担当していた乗組員なども処分する方針です。


アメリカ海軍がこの日公表した事故の報告書では、コンテナ船がイージス艦の右側側面に衝突して大きな穴があき、水が一気に艦内に入り込んだため一部の区画では寝ていた乗組員が逃げる時間がほとんどなかったなどと当時の状況が記されています。