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与党・共和党のコーカー上院外交委員長はトランプ大統領を支持し副大統領や国務長官の候補に取り沙汰されたほどでしたが、南部バージニア州で今月12日に白人至上主義などを掲げるグループと、これに抗議するグループが衝突した事件をめぐるトランプ大統領の発言について「安定し能力がある、と示せていない」と述べ公然と批判しました。


これを受けてトランプ大統領は25日、ツイッターで「おかしな主張だ」と反発し、コーカー氏が地元とする南部テネシー州有権者は不幸だと攻撃しました。


トランプ大統領は前日の24日にもツイッターで、議会での法案の取り扱いをめぐって共和党の上下両院のトップ2人を非難していました。
また今週、西部アリゾナ州で行った演説ではみずからに批判的な地元の共和党上院議員2人を攻撃するなど、来月上旬に議会で審議が再開されるのを前に大統領と身内である与党の亀裂が深まっています。


ホワイトハウスによりますと、辞任したのは、イスラム過激派の専門家で保守強硬派で知られるセバスチャン・ゴルカ大統領副補佐官です。


ゴルカ氏は、「陰の大統領」と言われながらも先週、解任されたバノン首席戦略官の側近で、バノン氏が会長を務めていた保守系ニュースサイト「ブライトバート」からバノン氏とともに政権入りしました。


ホワイトハウスは、辞任の理由を明らかにしていませんが、アメリカの一部メディアは、ゴルカ氏が辞表の中で「トランプ大統領の選挙公約を支持しない勢力がホワイトハウスの中で台頭している」と指摘し、ホワイトハウスの陣容に不満を示したと伝えています。
またトランプ大統領が先に発表したアフガニスタン戦略で、大統領が選挙中、使ってきた「過激なイスラム」という文言が削除されたことにも、強く反発しているということです。


ホワイトハウスでは、安全保障担当のマクマスター大統領補佐官が「過激なイスラム」という表現に慎重だとされていて、アメリカのメディアは、今後は保守強硬派のバノン氏やゴルカ氏に代わって、軍人出身で現実路線のケリー大統領首席補佐官やマクマスター補佐官が主導権を握る見通しだと伝えています。


アメリカ西部アリゾナ州ジョー・アルパイオ元保安官は、中南米からの不法移民を厳しく取締り、「全米で最も強硬な保安官」と呼ばれる一方で、不法移民だというだけで身柄を拘束する手法が「人種差別的だ」と批判され、取締りのしかたを改めるよう求めた裁判所の命令にも従わなかったとして、先月、有罪判決を受けました。


こうした中、ホワイトハウスは25日、声明を発表し、アルパイオ元保安官に対してトランプ大統領が恩赦を与えたことを明らかにしました。
恩赦の理由についてホワイトハウスは「人々を犯罪や不法入国の災難から守り続けた貢献は称賛されるべきだ」として、元保安官の功績をたたえています。


これに対して野党・民主党の全国委員会は声明を出し、「元保安官は国で最も悪名高い、人種差別と偏見の代弁者で、称賛にはほど遠い」と非難し、メディアも「人種差別を助長する決定だ」などと厳しく批判しています。


アメリカでは、白人至上主義などを掲げるグループとこれに抗議するグループが衝突した事件をめぐり、トランプ大統領の対応が問題視されているさなかだけに、元保安官に対する恩赦は新たな波紋を広げています。


ベネズエラでは先月、マドゥーロ大統領が主導して、野党が多数を占める従来の議会とは別に新憲法を制定するためだとして「制憲議会」のメンバーを選ぶ選挙を行い、野党側は選挙をボイコットしました。


このため全員大統領派からなる「制憲議会」が発足し、先週の審議で従来の議会の立法権を剥奪することを決めました。


これに対しアメリカのホワイトハウスのマクマスター大統領補佐官らは25日、記者会見し、トランプ大統領ベネズエラに対し新たな経済制裁を科す大統領令に署名したことを明らかにしました。


制裁は新たに発行されるベネズエラ政府の国債や国営の石油会社の社債の取り引きなどを禁じる内容で、マクマスター補佐官は「非合法的な独裁が根づくことをアメリカは許さない」とマドゥーロ大統領を非難しました。


アメリカとベネズエラをめぐっては、トランプ大統領が今月、軍事力をちらつかせて国民への抑圧をやめるよう迫ったのに対し、マドゥーロ大統領は全土で軍事演習を行う考えを明らかにするなど強く反発し、制裁によって両国の対立が深まるのは避けられない情勢です。