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ジンギスカンと耶律楚材(やりつそざい)|ん、何コレ

二人の問答は、常に「蒙古がいかにしたら強大になってゆくか」の一点にしぼられていたが、そのやりとりは内容の深い語録を形成し、読み返す度に深くうなずくことばかりである。
その一節を紹介しよう。


ジンギスカンが、ともすると武力万能を主張するのに対して、耶律楚材は


「高度の文化に対する関心を激しくもちつづけることこそ肝要であります。蒙古が蒙古自身の高い文化をもたぬ限り、せっかく武力で征服したとはいうものの、この金国を完全に支配することはできません。いや、それどころか、いつかは蒙古が金国に吸収され、逆に金国に支配される破目となりましょう」


と歯に衣きせぬ厳しい直言をし、「馬上、天下を取るべし。されど馬上、天下を治むべからず」の名言を残した。

新装丁版 現代の帝王学 - 伊藤 肇 - Google ブックス