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 アドラーが提唱する共同体感覚における共同体とは、ある特定の組織を指しているのではなく、抽象的な概念でしかありません。ですから、それを日常に当てはめて具体的に考えた時に「自分個人よりも会社を優先すればいいのだろうか?」などと迷いが生じる時があるでしょう。しかし、抽象的概念である共同体は会社だけではなく、家族や地域社会、さらには国家や世界、動植物を加えた宇宙なども当てはまります。そして、それぞれの利益を考えた時、答えが異なってくることがあるでしょう。
 例えば、企業の商品に不具合があった場合、それを広く社会にオープンにし回収すれば、企業には一時的に大きなダメージがあるでしょう。回収費用や在庫廃棄による直接的な損失に加え、信用の失墜もあり、売上、利益は大きくダウンするだろうからです。そこで企業は公開をためらうでしょう。しかし、企業ではなく、より大きな社会全体の利益を考えれば、少しでも早く事実をオープンにすべき、とすぐにわかるでしょう。
 このように、個人、会社、社会など、それぞれの共同体における利益・不利益が異なる場合、私たちはより大きな集団の利益を優先すれば判断を間違うことはない。 アドラーはそう訴えました。それこそが真の意味での共同体感覚であるのです。自分一人の利益だけを考えてしまっては判断を間違ってしまうのです。

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