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中米の人々がアメリカへの入国を目指して北上を続けていることに対し、トランプ政権は不法入国者の難民申請を拒否する新たな措置を発表しましたが、19日、カリフォルニア州の連邦裁判所はこの措置を一時的に差し止める仮処分の決定を出しました。

これについてトランプ大統領は、20日、記者団にカリフォルニア州の裁判所では政権の政策に反対するリベラルな決定が相次いでいるとしたうえで、「オバマ判事によるものだ」と述べ、不満をあらわにしました。

これに対し、裁判所トップのロバーツ連邦最高裁判所長官が21日、「オバマ判事もトランプ判事も、そしてブッシュ判事もクリントン判事もいない」と声明を出して、司法は政治から独立していると反論しました。

すると今度は、トランプ大統領ツイッターに「ロバーツ長官には悪いが、『オバマ判事』は間違いなくいる。彼らはわれわれの国の安全を守っている人々とは考え方がかなり異なっている」と投稿するなど、裁判所と行政のトップが批判し合う異例の事態となっています。

貧困や暴力から逃れるため、ホンジュラスエルサルバドルなど中米からアメリカへの入国を目指す移民たちは、今月13日以降、メキシコ側の国境の町、ティファナに次々に到着しています。

その数は、これまでにおよそ5000人に上るとみられていて、アメリカへの難民申請を目指し、手続きを待つ間、地元の自治体が提供した施設などに滞在しています。

こうした中、地元当局などによりますと、これまでに違法薬物の所持などで30人以上の移民が逮捕されたということです。

地元住民の間では、急激な移民の流入によって治安の悪化を懸念する声が広がっていて、移民の受け入れに反対する抗議デモも行われています。

メキシコ国内に入っている移民の数はすでに1万人に上るとみられ、今後もティファナの町には移民の流入が続くことからさらに緊張が高まることが予想されます。