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九州場所は、14日目を終えて大関 高安と小結 貴景勝が2敗でならび、いずれも初優勝をかけて千秋楽の取組に臨みました。

貴景勝は千秋楽の25日、平幕の錦木と対戦し、はたき込みで勝って2敗を守り、高安が敗れたため、13勝2敗で初めての優勝を果たしました。

貴景勝は今場所、低い立ち合いからの突き押しと力強いいなしが光り、初日に横綱 稀勢の里を破り、序盤から上位の力士に勝って勢いに乗りました。

後半戦からは、優勝争いの単独トップを守り続け、重圧を感じさせない冷静な取り口で白星を重ね、三横綱・一大関が休場した場所を引っ張りました。

日本相撲協会によりますと、昭和33年に年6場所制が定着して以降、22歳3か月での初優勝は6番目の若さです。

また昭和33年以降で、前相撲で初土俵を踏んでから26場所での初優勝は、4番目にならぶ早さとなります。

序盤で横綱大関との対戦が続く小結が優勝する例は少なく、小結の優勝は平成12年夏場所魁皇以来、18年ぶりで、平成では4人目になります。

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大相撲九州場所で初優勝を果たした小結 貴景勝。今場所の貴景勝は、持ち味の低く鋭い立ち合いと力強い突き押しに加え、応戦してくる相手に対しての強烈な“いなし”が非常に有効に決まりました。

横綱 稀勢の里大関 豪栄道、それに幕内最重量の関脇 逸ノ城など、圧力のある相手に対しても動きを冷静に見ていなすことで、有利な体勢を作り、白星を重ねてきました。

日本相撲協会八角理事長は、今場所の貴景勝について、「押しの圧力が強くなっただけでなく、体の芯がしっかりしている。足腰がしっかりしているから崩れずに相手を崩すことができる。いなしでも自分の芯は動かさないで、相手を動かすことができるようになった」と評価しました。

13日目の碧山との一番では、重い突っ張りで突き放してくる相手に対して、体勢を崩すことなく真っ向から得意の突き押しで応戦し、最後は押し倒して勝つ、足腰の強さが際立つ相撲を見せました。

さらに、優勝争いの重圧を感じさせない冷静さも強みの1つです。

取組後の報道陣の取材に対しては、優勝争いの意識について、毎日「全くない」と強調したうえで、「あすの取組に向かってやるべき準備をやるだけ」と繰り返し、一番、一番に集中する姿勢を崩しませんでした。

また貴景勝は、場所前に所属していた貴乃花部屋が消滅し、千賀ノ浦部屋に転籍したほか、所属する一門も二所ノ関一門に変わりました。

最初のうちは、新しい部屋での稽古にとまどう様子も見られましたが、場所前には、同じ部屋になった平幕 隆の勝、同じ一門の大関 高安や逸ノ城など上位の力士とも胸を合わせ、「新しい部屋で強くなりたい」と決意を語っていました。

部屋の消滅という予期しなかった環境の変化も前向きに捉え、心、技、体での成長を遂げたことで、多くの人が予想していなかったであろう今場所の快進撃の末の初優勝に結びついたのです。

今場所の貴景勝は、立ち合いからの低く鋭い当たりや持ち味の強烈な突き・押しが際立ち、本割では1横綱、1大関を破る快進撃を見せました。

今場所、貴景勝は、初日にいきなり横綱 稀勢の里と結びの一番で対戦しました。初日の結びという独特の雰囲気の中で、貴景勝は低い姿勢で立ち合い、横綱相手に押し負けず、得意の鋭い突きを何度も出しました。左を差そうとする横綱の攻めを封じ、最後ははたき込みで勝ちました。

2日目には過去の対戦で2勝5敗と負け越していた大関 豪栄道を破り、勢いに乗りました。

4連勝で迎えた5日目は体重が227キロある関脇 逸ノ城を、スピードのある相撲で動き回りながら、最後はいなして勝負を決め、5連勝で序盤戦を終えます。

7日目には注目の関脇 御嶽海との対戦。互いに突き押しを繰り出す激しい相撲の末、惜しくも敗れました。それでも、取組後には「一生懸命取ったので後悔はない」と話し、初黒星にも気持ちを切らしませんでした。

中日を終え7勝1敗の単独トップで、9日目には大関 栃ノ心と対戦。鋭い立ち合いからもろ手で突き放すと、すぐさま強烈な突きで攻めて白星を挙げ、勝ち越しを決めました。

その後の取組でも低く鋭い強烈な立ち合いで相手を圧倒する相撲を見せ、13日目は好調の平幕碧山と対戦しました。優勝を争う大関 高安がただ一人、2敗で追う展開で迎えた一番でしたが、貴景勝は「集中することだけを考えて自分の力を出し切りたい」と臨み、碧山の強烈な突き押しをしのいで、優勝へあと1勝に迫りました。

しかし、14日目、貴景勝は、勝てば優勝が決まる高安との直接対決で、はたき込みで敗れ、千秋楽を迎えました。

千秋楽の取組では、錦木にはたき込みで勝ちました。

今場所は初日から白鵬鶴竜の2横綱が休場しましたが、貴景勝は1横綱、1大関を破り、13勝2敗の好成績での優勝で、来年1月に行われる次の初場所では、初めて関脇に番付を上げることは確実です。

日本相撲協会八角理事長は、初場所大関昇進の可能性があるかどうかについては「来場所が大事になってくる。上位陣が復帰してきた来場所を見てみたい」と話していて、貴景勝が持ち味の鋭い立ち合いからの突き押しで、再び横綱大関陣から白星を挙げて場所を盛り上げれば、大関昇進の機運が盛り上がってくるかもしれません。