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これは1日、京都大学が記者会見を開いて明らかにしました。
それによりますと、出題ミスがあった去年2月に行われた入学試験の「物理」の音の伝わり方に関する問題で、解答するに必要な条件が不十分で正解が定まらないのに、一つを正解としていたということです。


先月中旬、大学に外部から「問題が不明瞭なため解答ができない」などの指摘が複数寄せられたことから、問題を作成した教員らが確認したところ、ミスがわかったということです。


この試験は工学部や理学部、それに農学部などを志願する受験生、およそ4000人が受けていました。このため、大学がこの問題について全員を正解として採点をやり直した結果、本来なら合格だった17人が不合格になっていたということです。また、このほか11人が希望した学科に入れずに別の学科に進学していました。


京都大学は謝罪するとともに、希望者には今後、改めて入学や学科の変更を認めるということで金銭的な補償も行うとしました。


また、今回の事態を受けて京都大学の山極壽一学長が給与の10%を3か月間、7人いる理事が給与の10%を1か月間、それぞれ自主的に返納するということです。


会見に出席した北野正雄副学長は「ご迷惑をおかけしたことを心よりおわび申し上げます。受験生への対応と再発防止に全力で取り組んでいきたい」と話しています。

京都大学の去年の入学試験の物理で出題ミスが見つかった問題で、去年6月に大阪で開かれた高校の物理の教諭などが集まる学会の会議で、この設問について疑問の声が上がっていたことがわかりました。
会合には京都大学の関係者は出席していなかったということです。


疑問の声が上がっていたのは、去年6月、物理教育の関係者で作る日本物理教育学会近畿支部が大阪で開いた、高校や大学の教員が大学の物理の入試問題を検討する会合です。


この中で、京都大学の物理の設問について、複数の出席者から「解答が複数あるのではないか」などの指摘があったということです。


この日の会合では、同様の入試ミスが見つかった大阪大学の物理の設問についても「ミスではないか」という指摘があり、その場で大阪大学の教員と議論をしたということです。


ただ、京都大学の関係者はこの会合に出席していなかったということです。


学会の近畿支部長で大阪教育大学の越桐國雄教授は「会合は高校と大学の物理の教員が入試問題について意見を交換できる貴重な場なので、大学にもできるだけ参加してもらい、入試をよりよくするために役立ててほしい」と話しています。

京都大学の出題ミスは、前回の大阪大学と同じく、物理の「音の伝わり方」でした。


予備校講師の吉田弘幸さんは、今回、誤りを指摘した1人で、大阪大学のミスも指摘していました。吉田さんは、「問題作成者は、設問の条件で解答できると思い込んだのかもしれないが、高校生が使っている教科書を参考にして丁寧に問題を作れば、こうしたミスは起こらないはずで、問題作成がずさんとしか思えない」と指摘しています。


そのうえで、「人生で1番輝くはずの1年間が失われた受験生のことを思うと言葉が見つからない。大学は受験生に対して適切な支援を行ってほしい」と話していました。

大学入試の問題作成に関わった経験がある東京学芸大学元特命教授の川角博さんは「大学の教員は、教育や研究を重視しがちだが、入試問題の作成にはとんでもないエネルギーが必要だ。人間は基本的にミスをするものなので、それをチェックして減らすか、システムを作ることが必要だと思う」と指摘します。


さらに、川角さんは今回、出題ミスが明らかになった大阪大学京都大学が入試問題の解答例を公表していなかったことを挙げたうえで、「自信を持って解答例を公表することは、入試問題を作った人の責任だ。それを多くの人たちが見る機会があれば、ミスへの対応が早くなると思う」と話していました。

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