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背景にあるのは、監督当局の金融庁による「日本版スチュワードシップ・コード」の推進だ。


 昨年5月、責任ある機関投資家としての諸原則を定めた同コードが改訂され、その中に「他の機関投資家と協働して対話を行うこと(集団的エンゲージメント)が有益な場合もあり得る」という文言が追加されたのだ。


 文言だけを見れば、生保各社には何ら対話で協働する義務はない。しかしながら、企業との対話が「形式的なものにとどまっている」という目を金融庁から向けられている生保各社にとっては、汗をかいていることをアピールする大きな材料になるわけだ。

 一方で、今回の書簡には、企業に対して「検討のお願い」にとどまってしまい、実は団体交渉にすらなり得ないというもどかしさが垣間見える。


 もし、お願いの域を飛び越え、生保各社が集団となって、企業に配当性向の引き上げといった交渉(重要提案)をしてしまうと一体どうなるか。


 その場合、生保各社が株式の共同保有者と見なされ、大量保有報告書を提出する必要性が、ケースによっては出てきてしまうという。


 そのため、企業に対し「株主総会で、連帯して反対票を入れますよ」という実効性のある“脅し文句”は使えないわけだ。


 書簡を送り付けられた企業側も、そうした点を見透かしているとみられ、どれだけの企業が検討や対話に応じるのかは未知数だ。