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シリアの大統領府によりますとアサド大統領は14日、イランのロウハニ大統領と電話で会談し、アメリカなど3か国による軍事攻撃について、西側の国々はテロリストである反政府勢力を支援したが目的を果たせないため、直接、戦争を起こしたと批判しました。


そのうえで「今回の攻撃はシリア全土でテロとの戦いを続けるシリアとシリア国民の決意を強めるだけだ」と述べ、シリアの内戦を戦い抜く姿勢を強調しました。


一方、イランのロウハニ大統領も今回のアメリカなどの攻撃を強く非難したうえで、イランはシリアとシリア国民の側に立つと述べ、今後も政権側を支援していく考えを伝えました。


ロシア軍参謀本部のルツコイ作戦総局長が記者会見を開き、攻撃は日本時間の14日午前9時42分から午前11時10分までおよそ1時間半にわたって続き、巡航ミサイル「トマホーク」を含む103発のミサイルが発射されたことを明らかにしました。


これに対してシリア軍は旧ソビエト製の防空システムで対応し、103発のうち71発を迎撃することに成功したとしています。


またこれまでのところ、市民やシリア軍の兵士らが死亡する被害は確認されていない、としています。


一方、ルツコイ作戦総局長はフランス空軍の動きについて「シリアの空軍基地などに設置した防空システムを使って、すべてのミサイルを発射から追跡したが、フランス空軍が参加していることは確認できなかった」と述べました。


そして「今回の挑発的な行為によって、アメリカがシリアでの和平プロセスを阻害し、中東地域の不安定化を望んでいることが示された」と述べ、攻撃に踏み切ったアメリカを改めて非難しました。


アメリカなど3か国によるアサド政権への軍事攻撃について中国外務省の華春瑩報道官は、コメントを発表し、「われわれは一貫して、国際関係のなかでの武力行使に反対し、各国の主権と独立、領土の保全を尊重するよう主張する」と述べました。


そのうえで、国連安全保障理事会の決議がないまま軍事攻撃が実施されたことについて華報道官は、「一方的な軍事行動は、『国連憲章』の趣旨と原則に反し、国際法の原則と基本規範にも違反し、シリア問題の解決に新たな複雑な要素を加えるものである。中国は、関係国などに対し国際法の枠組みのなかで、対話と協議で問題を解決するよう促す」としています。


国連のグテーレス事務総長は、アメリカなど3か国がシリアのアサド政権の化学兵器の関連施設に対して軍事攻撃を実施したことを受けて13日、声明を発表し「平和と安全に関する問題については国連憲章国際法に基づいて行動する義務があり、安全保障理事会には平和と安全を維持する一義的な責任がある」として、安保理の決議がないまま軍事攻撃が実施されたことに懸念を示すとともに、関係国に自制を求めました。


さらに安保理が一致した行動をとることができなかったことに繰り返し深い失望を表明してきた。安保理に対し、責任を果たし互いの立場の違いを埋めるよう強く求める」として、対話を重ね外交による解決を目指すよう強く促しました。


トルコ外務省は公式の声明を発表し、化学兵器による攻撃で多くの民間人が死亡した。アメリカ、イギリス、フランスがアサド政権に対して実施した軍事作戦は正当なものだ」として攻撃を歓迎しました。


そのうえで化学兵器であろうと他の大量破壊兵器であろうと、民間人を標的とした攻撃は人道に対する罪だ。アサド政権が報いを受け、同じようなことができないようにすることが非常に重要だ」と強調しました。


トルコはシリア内戦の終結に向けて、アサド政権の後ろ盾となっているロシアやイランと連携するなど、欧米とは違った姿勢ですが、今回の攻撃については民間人の保護という観点から支持を表明した形です。


トルコのエルドアン大統領は14日、最大都市イスタンブールで演説し、アメリカがイギリス、フランスとともに化学兵器の関連施設だとする3か所に軍事攻撃を行ったことについて「攻撃は正しいことだ。反政府勢力への非人道的で権利や法を無視した攻撃がただではすまされないことを示した」と述べ、支持を表明しました。


トルコは、国内のテロ組織と強いつながりがあるとしてシリアのクルド人勢力に対してことし1月から大規模な軍事作戦を続け、クルド人勢力を支援するアメリカとの関係は悪化しています。


エルドアン大統領は演説で、「シリアの人たちの安全や将来のために行動を起こすのならば、すべてのテロ組織に対して同じ原則で臨まなければならない」と述べトルコの軍事作戦も目的はアメリカと同じだと主張しました。


トルコは、シリア内戦の終結に向けてアサド政権を支援するロシアやイランとも連携する独自の外交を続けていますが、今回のアメリカなどの攻撃に理解を示すことで、みずからの軍事作戦を正当化する狙いもあるものとみられます。


イスラエルのネタニヤフ政権の閣僚のひとりは「今回の攻撃は、化学兵器が決して越えてはならない一線であることを示すものだ」として支持を表明しました。


イスラエルはアサド政権の後ろ盾であるイランがシリアで勢力を拡大することを警戒していて、この閣僚は今回の攻撃がイランに対しても重要な警告となるという見方を示しました。


イスラエルはイランの勢力拡大を防ぐためにとして、たびたびシリアへの越境攻撃を行っていて、シリアを舞台にイラン側との軍事的な緊張が高まっています。


フランスの国防省によりますと、シリアへの攻撃にはラファール戦闘機5機や3隻の駆逐艦などが参加し、合わせて12発のミサイルを発射したということです。


標的にしたのは、シリア中部のホムスにあるアサド政権の化学兵器の生産拠点と貯蔵施設の2か所で、ミサイルがシリア軍などに迎撃されたという情報はなく、標的に命中したと見られるとしています。


そのうえで作戦の詳しい成果はなお分析中だとしながらも、アサド政権が化学兵器を製造する能力に大きな打撃を与えることができたとして、作戦は成功したという見方を示しました。


またフランス政府は14日、シリアでの化学兵器の使用についてまとめた8ページに及ぶ報告書を発表しました。この中で今月7日、シリアの東グータ地区で行われた化学兵器の使用が疑われる攻撃について、現場の証言を始め映像や動画などを分析したところねつ造されたものはほとんどなく、被害者には化学兵器で引き起こされる呼吸困難ややけどなどの特徴的な症状が見られるとしています。


そのうえでアサド政権は化学兵器を廃棄したとしたあとも一部を隠し持ち、去年4月以降も塩素ガスなどの化学兵器を使った攻撃を繰り返していたと指摘し、今回も政権による攻撃以外には考えられないと結論づけています。


シリアへの軍事攻撃について、フランスのパルリ国防相フランス軍トップのルコワントル統合参謀総長は、14日、パリの国防省で記者会見を行いました。


このなかでパルリ国防相は、「作戦は成功した。シリアによる化学兵器の製造や貯蔵の能力は著しく低下した」と述べ、シリア中部のホムスにあるアサド政権の化学兵器関連施設2か所の空爆に成功したことを強調しました。


また、ルコワントル統合参謀総長は、「シリア軍の防空システムの効果は極めて限定的だった」と述べ今回の軍事攻撃で発射されたミサイルはいずれも迎撃されず、軍事目標に命中したという見方を示しました。


ドイツのメルケル首相はアメリカ、イギリス、そしてフランスが国連の安全保障理事会のメンバーとしてこのような形で責任ある行動をとったことを支持する。軍事攻撃は、化学兵器の使用を許さないという国際社会のルールを保持し、アサド政権に対し二度と化学兵器を使うことがないよう警告するために必要であり適切だった」との声明を発表しました。


EU=ヨーロッパ連合のトゥスク大統領は14日、自身のツイッターアメリカとフランス、イギリスによる攻撃は、アサド政権とそれを支援するロシア、イランが代償を支払わずに人々を悲惨な状況に追い込むことはできないと示した。EUは同盟国とともに正義の側に立つ」と投稿し、支持を表明しました。


アメリカなど3か国によるシリアへの軍事攻撃について、カナダのトルドー首相は14日、ペルーで開かれている米州首脳会議のスピーチの中で、「シリアのアサド政権が自国民に対して化学兵器を使用する能力を減退させる決断をした、カナダの同盟国であるアメリカとフランス、そしてイギリスを支持する」述べ、軍事攻撃を支持する考えを示しました。


アメリカ国防総省は14日、記者会見を開き、シリアのアサド政権の化学兵器関連施設に対して実施した軍事攻撃の詳細を明らかにしました。この中でホワイト報道官は「標的の攻撃に成功した」と述べて、発射したミサイルはいずれも標的とした3か所の施設に命中し作戦の目標を達成したという見解を明らかにしました。


国防総省の説明によりますと作戦には紅海や地中海などに展開したアメリカ軍の艦艇や爆撃機、電子戦機、フランス、イギリス両軍の艦艇や戦闘機が参加し、巡航ミサイル「トマホーク」や爆撃機から発射する長距離巡航ミサイルなど105発で攻撃したということです。


そのうえで初期の分析では攻撃によって標的の建物などを破壊し、アサド政権の化学兵器の能力に深刻な打撃を与えたという見解を示しました。さらに攻撃は市民の巻き添えがないよう慎重に計画したとしたうえで、今のところ市民に被害が及んだという情報はないとしています。


また国防総省はミサイルを迎撃したとするシリア側の主張について、シリアの基地から地対空ミサイル40発が発射されたものの、いずれもアメリカ軍の攻撃のあとで効果はなかったとして否定しました。


一方、国防総省としてアサド政権が化学兵器を使用したと断定した根拠を問われたのに対し、ホワイト報道官は「分析を進めているが、さまざまな情報がある。われわれにとっては疑いはない」と述べるにとどめ、証拠に関する具体的な説明は避けました。


アメリカとフランス、イギリスの3か国がシリアで軍事攻撃を行ったことに対して、イランの最高指導者ハメネイ師は14日、演説を行いました。


演説でハメネイ師はアメリカとフランスの大統領、イギリスの首相は重大な犯罪を犯した。彼らが得るものは何もないだろう。イラクアフガニスタンと同様同じ過ちを繰り返している」と述べて、軍事攻撃を強く非難しました。


また、ロウハニ大統領も演説で、「軍事攻撃はさらなる破壊をもたらすだけだ。アメリカは、攻撃によって域内での存在を正当化しようとしている」と述べて非難しました。


イランはアサド政権に対して軍事顧問を派遣するなどロシアとともに後ろ盾となっていて、トランプ大統領は、今回の軍事攻撃を発表する際、アサド政権とともに、ロシアとイランを名指しして非難しています。


これに対してロウハニ大統領は軍事攻撃の後、アサド大統領と電話会談を行い、今後も支援する立場を改めて伝えたということで、軍事攻撃に踏み切ったアメリカなどと、イランやロシアとの間でさらに対立が深まることが懸念されます。


アメリカなど3か国がシリアのアサド政権に対して軍事攻撃を行ったことを受けてロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領が電話で会談し、シリアでの緊張を緩和し、政治的な解決に向けて努力を続ける考えで一致しました。


ロシア側の発表によりますと、プーチン大統領「西側の国々は国連憲章国際法の基本的な原則を著しく侵害した」と強調したということです。


一方のトルコはアメリカなどの軍事攻撃への支持を表明していますが、アサド政権の後ろ盾のロシアとの連携は維持しながら今後のシリア情勢で主導的な役割を担おうとするものとみられます。


アメリカなどがシリアで軍事攻撃を行ったことを受けてNATO北大西洋条約機構は14日、加盟29か国の代表で作る理事会の緊急会合を開きました。


会合のあとの記者会見でストルテンベルグ事務総長はアメリカとフランス、イギリスが「アサド政権による化学兵器を使った攻撃を止めるには軍事力を使う以外に方法はなかった」と説明したのに対し、各国が支持を表明したことを明らかにしました。


そのうえで、NATOの同盟国は国連が主導する和平協議を進展させるため、ロシアをはじめとするアサド政権を支援する勢力が責任を果たすよう呼びかける」としてロシアとイランに対し、アサド政権への影響力を行使するよう強く求めました。


シリア国営通信は、この科学研究センターについてガンの治療薬の研究などを行う施設だと伝えていて、ここに各国のメディアの記者を案内することで、化学兵器と関係のない施設が攻撃されたとアピールしたいというアサド政権の思惑も透けて見えます。


ロシアのネベンジャ国連大使アメリカなどによる軍事攻撃についてアメリカとその同盟国は安保理常任理事国であるにもかかわらず目に余る国際法違反を見せ続けている。それを正当化するとは恥ずべきことだ」と述べて改めて非難しました。


そのうえで、「わが国の専門家が現地を調べたところ化学兵器が使用された痕跡はなかった。この攻撃は外国の情報機関が仕組んだものだ」と述べて、化学兵器の使用自体を否定する従来の見解を繰り返しました。


そしてアメリカなどによる軍事行動がシリアの停戦プロセスを破壊しようとしているとしてアメリカとその同盟国は直ちに侵略的な行動をやめ、将来にわたって自制するよう求める」と述べました。


一方で、アメリカのヘイリー国連大使「きのうの軍事行動はアサド政権が化学兵器を使用し続けることは許さないというアメリカの明確なメッセージだ」と述べました。


そのうえで「ロシアは必死に焦点をそらそうとしているが、事実を変えることにはならない。多くの情報がシリア政府が化学兵器を使用したことを示している。けさトランプ大統領は『シリア政府がまた毒ガスを使うようなことがあればアメリカは臨戦態勢をとる』と話していた」と述べ、状況次第ではさらなる軍事攻撃も準備していることを示唆し、アサド政権に警告しました。

偽旗作戦 - Wikipedia


当事国として会合に出席したシリアのジャファリ国連大使「軍事攻撃を行った3か国は国際平和と安定を維持し、いかなる侵略も止めるためにある安保理常任理事国にもかかわらず、今回、弱肉強食の論理で判決を下したのだ」と述べ、軍事作戦を行った米英仏の3か国を強く非難しました。


そのうえで「シリアを攻撃する法的根拠は何もない。化学兵器による攻撃が行われた証拠は何もない。攻撃はこの地域の緊張をさらに高めるだけのもので、国際社会と安保理に非難するよう求める」と訴えました。


シリアの首都ダマスカス近郊にある反政府勢力の拠点、東グータ地区についてアサド政権の軍は14日、声明を発表し、最後までとどまっていた反政府勢力を排除してこの地区を完全に制圧したと宣言し、「偉大な勝利」だと強調しました。


アサド政権はことし2月から東グータ地区への攻勢を強め、国連の安全保障理事会で停戦を求める決議が採択されてもテロとの戦いを理由に攻撃をやめず、人権団体によりますと、これまでに1700人を超える市民が犠牲になりました。


また、今月7日には化学兵器の使用が疑われる攻撃もあり、このあと反政府勢力の最後のグループが撤退に応じて戦闘員らの北部への退去が続いてきました。


アメリカなど3つの国はアサド政権が東グータ地区で化学兵器を使ったと断定し、14日に化学兵器の関連施設だとする3か所を限定的に攻撃しました。


しかし、同じ日の東グータ地区の完全制圧などシリアの内戦でアサド政権が優勢な状況に変わりはなく、政権側は反政府勢力への攻勢を引き続き強めていく構えで、内戦がいつ終息するのか見通しはたっていません。


アメリカとフランス、イギリスがシリアのアサド政権への軍事攻撃を行ったことについて、ロシアのラブロフ外相は14日、「完全に違法で、許されない行為だ」と述べ、厳しく非難しました。


さらに、ラブロフ外相は、今回の軍事攻撃は、化学兵器が使用されたかどうかを確認するため、ロシアがアメリカとフランスとの間で、米仏両国の専門家を現地に派遣する方向で調整を進めていたさなかに行われたと主張し、アメリカなどへの強い不信感をにじませました。


また、化学兵器が使用されたかどうかについては、OPCW=化学兵器禁止機関の調査チームが現地調査を進めることになっていますが、ラブロフ外相は、「事実の究明に向けては、大いに不安がある」と述べ、懸念を示しました。


アメリカなど3か国によるシリアへの軍事攻撃を受けて、イタリアのジェンティローニ首相は、14日、声明を発表し、「化学兵器の使用は決して容認できない」と述べ、攻撃を支持する姿勢を示しました。


その一方で、「アメリカなどの同盟国に物資面では支援したが、そのことによってイタリアがシリアへの直接的な行動に加わったことにはならない」として、シリアへの攻撃には参加しなかったという立場を強調しました。


そのうえで、「いまは対立をエスカレートさせる時ではなく、内戦が続くシリアに安定をもたらす努力をすべきだ」と述べ、シリアを巡って欧米とロシアの対立が先鋭化する中、関係国が立場の違いを乗り越え、歩み寄るべきだと訴えました。


フランス政府の軍事顧問などを務めたドミニク・トランクワン氏は、14日、パリ市内でNHKのインタビューに応じ、「マクロン大統領はフランスが求めているのは化学兵器の使用を阻止することだという明確なメッセージを示した」と述べ、攻撃は限定的ながらも化学兵器の関連施設に相当の打撃を与えたと指摘しました。


そのうえで「フランスは歴史的に一定の影響力を及ぼしてきた中東に戻り、シリア危機でも仲介役を果たしたいと願っている」と述べ、マクロン大統領は今後、アサド政権の後ろ盾となっているロシアのプーチン大統領との対話を模索していくとの見方を示しました。


マクロン大統領は今月下旬に初めてアメリカを訪問するのに続いて来月下旬にはロシアを訪問する予定で、軍事的な行動だけでなく、シリア情勢の安定に向けて政治的な対話を進められるのか、その手腕が問われています。