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ロシアを訪れていた安倍総理大臣は日本時間の26日夜11時前から、首都モスクワのクレムリンで、プーチン大統領との日ロ首脳会談に臨みました。
会談は、少人数会合、通訳だけを交えた首脳どうしのもの、それに夕食を伴う拡大会合という形式で、およそ2時間半にわたって行われました。


この中で、安倍総理大臣が、北朝鮮情勢をめぐって「日朝ピョンヤン宣言にのっとり核、ミサイル、拉致問題を包括的に解決し、不幸な過去を清算し国交正常化を目指すのが日本の一貫した立場だ」と説明したのに対し、プーチン大統領は理解を示しました。


そして両首脳は、北朝鮮の非核化を進めるという基本方針を確認し、中止が発表されたものの再び開催への調整が進められている米朝首脳会談の成功に向け、開催を後押ししていくことで一致しました。


また両首脳は、北方四島での共同経済活動について、優先的に取り組むことで合意している海産物の養殖など5つの事業の具体化に向けて、ことし7月か8月をめどに四島に、民間事業者を中心とした調査団を派遣することで合意しました。
そして、その結果を踏まえ、次官級協議や必要に応じて局長級の作業部会を開催することや、事業を実施する際の人の移動の枠組みについても検討を加速することで一致しました。


さらに両首脳は、去年9月に初めて実施した北方領土の元島民らによる航空機を使った墓参をことし7月にも行うことや、過去2回行われた外務・防衛の閣僚協議をことし後半に行うことで一致しました。


また両首脳は、ことし9月にロシア極東のウラジオストクで開催される経済フォーラムに合わせて再び首脳会談を行うことでも一致しました。


一方、今回の首脳会談に合わせて、日本とロシアの8項目の経済協力プランに沿って去年9月の首脳会談以降、両政府や地方自治体の間で13件、企業間で54件の成果文書が取り交わされました。

ロシアのプーチン大統領は、安倍総理大臣との会談後に行った共同記者発表の中で「日ロの協力関係は発展している。政治対話は継続し、政府機関の協力や議員交流、地域間交流も拡大している」と述べ、現在の日ロ関係を評価しました。


特に、経済関係については「去年の貿易高は前の年に比べて14%増加し、180億ドルに達した」と具体的な数字をあげ、経済関係のさらなる拡大に期待を示しました。


一方で、北方領土問題を含む日本との平和条約交渉については「ロシアと日本双方の戦略的な利益にかない、両国の国民に受け入れられる解決策を、忍耐強く探し続けることが重要だ」と述べ、慎重な姿勢を示しました。


プーチン大統領は、去年11月、平和条約交渉について「時間がかかる」という見通しを示していました。


ことし3月の大統領選挙で76%の高い得票率で再選を果たしたあとも、慎重な姿勢に変化は見られません。


また、北朝鮮情勢については「すべての関係国が自制を発揮し、新たな対立の段階に入らないよう、努力しなければならない」と述べ、対話を重視する姿勢を重ねて示しました。


プーチン大統領としては、国境を接する北朝鮮で軍事的緊張が高まるのは避けたい考えで、米朝双方に自制を求めつつ、駆け引きの行方を見極めようとしています。

プーチン大統領は会談後、「安倍総理大臣との会談は、効率的かつ建設的だった。日本とロシアの協力は順調で、常に政治対話が行われ、省庁間の協力も円滑に進んでいる」と述べました。


日本とロシアの平和条約交渉については「重要なのは、両国の戦略的利益に資するような、また両国の国民が受け入れ可能な解決策を、辛抱強く探すということだ」と述べました。


そのうえで、北方領土における共同経済活動の具体化に向けて、ことし後半に、3回目となる調査団を受け入れる姿勢を示しました。


また、元島民などが墓参のため北方四島を訪問することを、人道的な観点から前向きに協議する意向を示しました。


プーチン大統領は日ロ経済について「去年の貿易高は前の年より14%増え、180億ドルを超えた。日本からロシアへの投資も増えている。日本のパートナーは、製造業と農業の分野で活躍している」としています。


そのうえで、日本側が提案した「8項目の経済協力」としておよそ100のプロジェクトが進んでいることを評価しました。特にエネルギー分野について「ロシアは、日本の天然ガスの需要のおよそ10%を供給している。日本企業はヤマル半島やサハリンのガスプロジェクトで、ガスの生産や加工に参加している」と述べました。


またプーチン大統領朝鮮半島問題についても協議したことを明らかにし「この地域で平和的な情勢を維持することがお互いの関心事だということを確認した。すべての関係国は、自制を発揮し、新しい対立に入らないよう努力する必要がある」と指摘しました。


日本とロシアの両政府はことしを「ロシアにおける日本年」と定め、文化や科学、教育といった幅広い分野で交流を活発化させています。
26日、モスクワのボリショイ劇場では安倍総理大臣とプーチン大統領が出席し、開会式が行われました。


あいさつに立ったプーチン大統領は「国民どうしの信頼関係を強化することは、両国関係の基礎となる。交流年が、友好関係の強化につながることを期待する」と述べ、日本とロシアの友好関係が強まることに、期待を示しました。


舞台では、かっちゅう姿の武士が鎌倉時代の出陣の儀式や鏡開きを再現したほか、大分県の和太鼓グループで世界各地で公演を重ねている「DRUMTAO」が力強い演奏を披露し、会場から大きな拍手が送られました。


ロシアではことし日本の歌舞伎や雅楽の公演のほか、江戸時代の浮世絵の作品展なども予定され、1年を通してさまざまな日本の文化が紹介されます。


ロシアを訪れていた安倍総理大臣は、ロシア第2の都市サンクトペテルブルクで国際経済フォーラムに出席したあと、首都モスクワで、プーチン大統領との21回目となる日ロ首脳会談を行いました。この中で安倍総理大臣は、中止が発表されたものの、再び開催への調整が進められている米朝首脳会談の成功に向け開催を後押ししていくことで一致しました。


また、北方領土問題の解決を目指し両政府間で協議が続けられている、北方四島での共同経済活動の具体化に向けて、ことし夏に事業者を中心とした調査団を派遣することで合意しました。


会談のあと、安倍総理大臣は、プーチン大統領とともに、双方の人的交流を拡大するため、ことしを「ロシアにおける日本年」、「日本におけるロシア年」と定めたことを受けて、モスクワ中心部のボリショイ劇場で開かれた開会式に出席し成功を誓いました。


一連の日程を終えた安倍総理大臣は、日本時間の27日午前6時すぎ、政府専用機でモスクワを出発し帰国の途につきました。