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フランスの裁判所は、東京オリンピックパラリンピックの招致をめぐる贈賄に関与した疑いで検察当局が竹田会長を捜査した結果を受けて、先月から裁判を開くかどうかを審査する「予審手続き」を進めています。

竹田会長はすでに疑惑を否定するコメントを出していますが、15日、都内で改めて会見を開き海外のメディアも含めおよそ100人が出席しました。

会見は30分の予定でしたが、JOCは15日未明になって、フランス司法当局の調査中であることを理由に質疑に応じないと通告し、竹田会長が2016年にJOCの調査チームが実施した報告書をもとに用意した紙を読み上げる形で行われました。

この中で竹田会長は、贈賄の疑いがもたれているシンガポールの会社に支払ったコンサルタント料およそ2億2000万円について「報告書では、コンサルタント業務に対する適切な対価だったと結論づけている。私が、シンガポールの会社と、国際陸連の前会長とその息子がいかなる関係だったか知らなかったことも確認している。この会社との契約の締結が日本の法律において違法性はない、と結論づけた」と述べ、改めて潔白を主張しました。

竹田会長は、先月フランスの担当判事の聴取に応じ、この中で新たな事実は判明しなかったことを明らかにしています。

竹田会長は会見の中で「パリでヒアリングに応じてみずからの潔白を説明した。フランス当局に全面的に協力することを通じてみずからの潔白を証明すべく全力を尽くしていく」と述べました。

竹田会長は記者からの質問には応じず、会見をおよそ8分で打ち切って退席しました。

東京オリンピックパラリンピックの招致をめぐる贈賄の疑惑は2016年に初めて明らかになり、JOCは当時、弁護士などからなる調査チームを設置しましたが、招致委員会による金銭の支払いに違法性はなかったと結論づけました。

IOCの倫理規定では、オリンピック関係者への贈与が禁止されているほか、フランスの刑法では民間人が相手でも贈賄罪が成立します。

このため調査チームは、招致委員会が情報収集やロビー活動などのコンサルタント料としてシンガポールの会社に支払った金銭に対する認識を特に重視し、3か月にわたって招致委員会の関係者などの聞き取りを行い報告書をまとめました。

それによりますと、招致委員会の理事長だったJOCの竹田恒和会長について、シンガポールの会社とIOC委員を務めた国際陸連の前会長の息子の間に親交があったことは認識していなかったとしたうえで、「支払った金銭がその後、どのように使われたのかは知るよしもなかった」と指摘しています。

その結果、金銭の支払いはIOCの倫理規定の違反やフランスの刑法上の犯罪にはあたらず、日本の刑法に照らしても贈賄や背任にはならないと結論づけました。

しかし問題の発覚以降、シンガポールの会社の代表は行方が分かっておらず、海外の主要な関係者の聞き取りができていないため、シンガポールの会社がどのような活動を行ったのかは明らかになっていません。

JOCの調査チームに対しては、調査期間の短さや調査の限界を指摘する声も上がっていました。

会見の直前にはJOCの広報責任者が竹田会長の「肩書」を「招致委員会の元理事長」と断ったうえで、午前11時に始まった会見では竹田会長はふだんよりもやや上ずった声でみずからの潔白を強調しました。

竹田会長は一方的に話し続け、およそ8分後、質疑応答を受けずに席を立ちました。

報道陣からは「質問を受けてください」と求める声が上がり、その後も、なぜ質疑応答に応じないのかと批判する声が相次ぎました。

これに対してJOCの広報責任者は「フランスの当局が調査中のため」という説明を繰り返し、質疑応答を受けないことを決めたのは14日夜のことで、「慎重に協議した結果でメディアの皆様には事前に報告したほうがよいと考えて発表した」と、午前2時に質疑応答に応じないことを通告した理由を説明しました。

ただ会見場を出たあとも報道陣が広報責任者を囲み続け、批判が収まることはなく、来年に迫った東京オリンピックパラリンピックへのダメージを最小限にとどめたいという会見の当初のねらいとは逆に、トップの説明責任にさらに批判が高まりイメージを悪化させる結果となりました。

竹田会長が会見で質疑応答を受け付けなかったことについて、会見場で取材した海外メディアからも厳しい意見が相次ぎました。

アメリカのAP通信の記者は「リオデジャネイロオリンピックでも同じような問題はあったが、東京はここまで順調な準備を進めてきただけにこのスキャンダルは驚きを持って受け止められている。竹田会長が質問に答えなかったことは残念だった」と話しました。

ブラジルの大手テレビ局 グローボの記者は「正直、きょうの会見には期待していなかったのであまり驚きはない。それでも竹田会長は自分のことばで『調査中で答えられない』と話すべきだったし、用意したコメントを読み上げるだけの数分の会見は誰も期待していなかった」と話しました。

フランスの通信社の記者は「竹田会長はフランス当局に協力して今後も潔白を証明すると言ったが、フランスでは予審手続きが行われれば多くが起訴される。もっと重く考えるべきだし、こんな会見ならやらないほうが良かった。とても失望している」と話していました。

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